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第24話 美少年倶楽部七不思議のひとつ

「こんなに潰れるくらい飲むなんて、龍ちゃんよっぽど嬉しかったんでしょうね。貴方がナンバーワンになったことが。優しい熊さんだからこれからも龍ちゃんを頼むわね。桜くん」 「はい」  時刻は深夜1時過ぎ。桜のお祝い会は終了し皆それぞれ帰宅していった。酔いつぶれているオーナーと桜以外は、だが。えり子ママにタクシーを呼んでもらい、うとうとしてるオーナーを車内へ押し込む。桜はオーナーの住所を運転手に伝えると、自分もタクシーに乗り込んだ。後部座席でぎゅうぎゅうになっているオーナーと桜の様子を見て運転手が「仲良しさんだねえ」と笑うのを苦笑して受け止める。ぐうぐうと獣みたいないびきをかいているオーナーの体温は温かい。 「オーナー! 起きてください。家着きましたよ」  タクシーから降りてオーナーの住むマンションへ向かう。オーナーは赤羽にあるタワーマンションに暮らしている。部屋の鍵を見つけて玄関まで入ると、部屋の電気が付いていることに気づいた。 「おー。桜ちゃん。また熊が潰れたんか。わりーな。毎回送ってもらっちまって」 「いえいえ。オーナーにはいつもお世話になってますから」  部屋の奥から現れたのは20代半ばくらいの長身の男性だ。この人はオーナーの彼氏の青木である。顔はショタ系とオーナーが自慢していつも写真を見せてくる。2人の出会いの経緯を皆知りたがるがいつもオーナーが「内緒よ」とウィンクして教えてくれない。美少年倶楽部の七不思議のひとつだ。 「桜ちゃんも気をつけて帰れよ。かわいい男は変態に好かれやすいってよく熊が言ってるからな」  オーナーを抱きかかえた青木が桜に声をかけてくれる。 「はい。気をつけて帰ります。それと……オーナーには俺がすごく嬉しがってたって伝えてください」 「オーケー。じゃ、おやすみ」 「はい。失礼します」  桜はオーナーのマンションを後にすると、タクシーを呼びつけ自宅のある寮へと向かう。

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