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75.甘い夜※

【R18】 ーー 部屋に着くと、片桐君が後ろ手でドアの鍵を掛ける。 カチリと部屋の電気が灯ったのが分かったその次の瞬間、突然彼の唇が俺の唇を塞いだ。 「…!?」 俺は彼の手に体と頭を支えられながら、口内に入ってくる彼の熱い舌に頬を赤らめて息を乱す。 思わず口から漏れ出る吐息が恥ずかしく、キスだけでぶるぶると震えてしまう体も恥ずかしい。 しばらくして、やっと離れた唇にハァハァ、と浅い呼吸を繰り返す。 「び、びっくりしたぁ」 あはは、とつい照れ隠しするように笑う俺の体を、片桐君が無言ですっと持ち上げる。 え…っなに!? お姫様抱っこ状態で俺は彼に抱えられたまま、ベッドまで運ばれる。 片桐君は俺をベッドに座った状態で下ろすと、まだ緊張して固まったままの俺の唇に軽いキスをした。 「男同士って初めてなんで、ちょっとどこまでできるか分からないんですけど」 片桐君は隣に腰掛け、目を逸らす俺を、じっと真っ直ぐに捉えながら話しかけてくる。堂々とした彼の姿に、さらに胸のドキドキが増すように感じた。 「星七さんは経験あるんですか?」 「え…?」 ふと、座る俺のお尻に片桐君が片手を伸ばし、触れるのが分かり、顔を赤くする。 「ここの」 顔色を探るようにして彼に見つめられ、俺は慌てて首を横に振る。大きめのジェスチャーで必死に否定を伝えた。 「な、ないっ、ないよ!」 「あれ。そうなんですか?」 「うん……!だってなんか、お尻の…アナ…って、そもそも入れるところじゃないし…あそこにその、アレを入れるだなんて、あんまり想像つかないっていうか…」 ……正直めちゃくちゃ怖いっていうか。 片桐君はしばし俺の顔を見つめたあと、すっと顔を逸らし、何か考え事をするかのような表情をした。 「まあ…確かに、冷静に考えればそうですよね」 淡々とした彼の様子を見て、俺は数回頭を縦に頷かせる。 「でも…俺、星七さんと繋がってみたいな。星七さんのこと、抱きたいな」 ド直球に言葉を吐く彼に迫られ、俺はまた顔を赤くさせながら、ほんの少し体を後退りさせる。 (う……そんなこと言われたら、断れない) 「うん……いい…けど」 近い距離に目を見れずにそう言うと、片桐君は口元に笑みを浮かべた。 「でも、俺が初めてってことですよね」 そう言いながら、片桐君は俺の着ていた上着をさりげなく脱がすと、体をベッドへと押し倒す。 上から片桐君に見下ろされ、俺はまた緊張感が帯びてくるのを感じた。 「…うん」 気恥しさからまた目を逸らす俺の顔に、彼の顔が近付く。 彼の瞳に見つめられるだけで、全身が粟立った。 「すごく、嬉しい」 彼の告げた言葉に反応する暇もなく、再び口を塞がれる。 舌を絡めたキスに生理的な涙を浮かべ、息を乱していると、彼の手が下へ伸びるのが分かった。 ビクリ、思わず体を揺らす俺を、彼の瞳が捉える。 「…緊張してます?」 片桐君の手が、ズボン越しにアソコに触れ撫でる。たったそれだけで硬くなる自分が恥ずかしかった。のちに、ズボンを下ろし、パンツの中に手を入れてくる彼に気づく。 思わず身を捩ると、ベッドに横向きになる俺の背後に、片桐君が抱き締めるようにして横たわる。 後ろから伸びた彼の手に、服の下から胸の突起をまさぐられ、パンツを下ろし外気に晒されたモノを自由に弄られる。 「っぁ、や、やだ」 確実にぬるぬるとした先走りが出ていることを悟り、俺は恥ずかしさでぎゅっと固く目を瞑る。 「星七さんって恥ずかしがりですよね」 背後から聞こえる冷静な彼の声色に、俺は耳まで赤くなるのを感じながら、ベッドのシーツを片手で握る。与えられる刺激に体が甘くビクビクと震え、声が漏れ出るのを抑える。すると、 「星七さん」 起き上がった彼が、あられもない姿の俺を無言で見下ろす。目を逸らした瞬間、「駄目です」と穏やかに告げながら、またアソコに触れてきた。 「…っあ、片桐君…っだめ、いやだよ」 先ほどより激しく触られ、俺はその強い刺激に驚いて思わず顔を上にあげた。 「いいってことですか?」 違う… 「ちがう」 言葉とは裏腹に、俺は彼の手と、彼に見つめられる視線に昂りを感じる。 「っっぁ」 液を吐き出したあと、俺は羞恥心から彼の顔を直視することができない。 片桐君は、どこか満足気に俺を見ると、 「じゃあ次はここですね」 そう言って、彼の手が中途半端に下ろされた俺のズボンとパンツを完全に脱がせた。

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