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116.旅立ち(片桐side)
――彼との通話を終える。
腕時計を確認し、先に向かった父の元へ向かうため、搭乗ゲートへと向かう。
心にあるのは、守りたいという強い気持ち。
“……そして………”。
…ああ、次ここに戻ってきた時、
俺はその時ようやく、本当の意味で守ることができるのかもしれない。
いつか訪れるその日を思い描き、俺は歩く。
地に、足をつけて。
俺は信じて疑わない。
この瞬間が、この選択が、間違っていることなど。
……多分、夢にも思わない。
この長旅のあとには、幸せな瞬間が訪れる。
――そう、…胸に信じていた。
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