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127.抗えない夜※

【R18】 ―― 殺意さえも感じさせる片桐君の目に見つめられ、俺は体が固まって動けなくなる。 違う……。大好きだった、片桐君の目じゃない……。眼差しじゃない………。 俺は恐る恐る視線を彼から外し、その場を逃れようと考える。しかし、それに気づいたのか、片桐君に掴まれていた腕をそのまま引っ張られて部屋へと連れて行かれる。 ベッドに雑に投げるように押し倒され、すぐに体を起こす。 「…!」 目前に迫っていた片桐君に片手で後頭部を固定され、唇を奪われる。 口内を、片桐君の舌が縦横無尽に動き回る。 「…っふ…ぅ」 彼から、以前漂っていた香水の匂いはしなかった。 代わりに、前よりも少し大人っぽい香りが漂っている気がした。 …香水、変えたんだろうか。 『星七』 ついそんなことを考えながら彼のペースに呑まれているとき、ふいにまた藍沢の顔が過って、俺は我に返るように瞳を大きくした。 慌てて彼の胸を力いっぱい押し返すが、そうすると、ますます彼の口付けが濃く深くなった気がした。 「ぁ…かたぎりくん、…っは」 口から涎が溢れ出し、彼に流されていくのを感じる。 …ダメだ、このままじゃ。どうすれば―― 俺は再度、片桐君の舌を噛もうとする。 しかし、巧みな舌に口の中全体を犯され、体の力が抜けていく。 頭を朦朧とさせる俺の体を、片桐君がうつ伏せに押し倒す。後ろから彼が覆いかぶさり、首筋に彼の吐息がかかる。 彼の唇と舌が首や耳を這い、俺はビクビクと敏感にそれらに体を反応させる。 彼の手が下へと伸び、アソコをズボン越しにぎゅっと握られる。 「……なんかすごい濡れてる?」 「……!」 耳傍で囁かれる彼の声に、かあっと顔を赤くさせる。 「片桐君、…もうやめて、頼むから」 俺の発言を無視するかのように、片桐君の手が俺のズボンのベルトをはずす。 その素早い彼の動きに圧倒され、俺は止める気力すら失いかける。 ズボンをパンツごと下ろされ、俺は体を咄嗟に動かす。 しかし、足の上に彼の体重がかかっており、ほぼ動くことはできなかった。 「さっきああは言いましたけど、本当にここに俺以外の挿れてないですよね?」 そう言いながら、片桐君がおしりの割れ目を指でなぞるように触る。 「ぁ…」 思わず漏れ出る声を強く唇を噛んで耐えた。 「質問に答えてください」 片桐君の手が、ヌルヌルとした先走りを出す俺のを触りながら、尋問してくる。 「…ぅ…っし…してない」 「本当に?」 「ほんとう、…本当」 片桐君が俺の先端を爪で引っ掻きながら確かめるように再度尋問してくる。 「ぁっう…」 頭を縦に数回こくこくと頷かせると、片桐君の指がつぷんっと後ろへ入ってくる。 片桐君の長い指の感触に、全身が震える。 「もう抵抗しないんですか?」 そう言って、片桐君の指がぐりっと奥を触る。 「…あ…っっ」 ぼろぼろと涙を流し、耳まで赤くなるのを感じながら、俺は声を上げてしまう。 抵抗……、抵抗しなきゃ…… 「ふ…っぅ、んんっ」 なのに、彼の指が動く感触に声が抑えられなくなっていく。 そのうち指が勢いよく抜かれ、びくと体が跳ねる。 おしりを高く持ち上げられ、すぐに後ろに熱くて硬いモノが当てられる。 「…あ……っ!片桐君、駄目だよ!ほんとに」 後ろを振り返って言うが、片桐君は俺の腰を掴み、中へと押し進めてくる。 ぐぐっと大きな彼のモノが入ってくる感触に、体が震え、瞳を大きく見開く。 だめだ、絶対…。 なのに、片桐君であるというだけで、体を許してしまう自分がいる気がする。 奥まで片桐君のモノが入り、俺は頭に藍沢のことを思い浮かべながら、涙する。 ナカで片桐君のモノが動き、体が勝手に反応する。 「っあ、ぁっ」 ベッドのシーツを掴みながら、俺は快楽と片桐君に対する想いと藍沢に対する気持ちで感情をぐちゃぐちゃにさせる。 彼のモノに突かれるたび、別の自分が現れるかのようだった。 彼に触れられていないのに、もうイっている気がする。 彼の体が上に覆いかぶさり、ひたすら何度も突いてくる。 彼の声が微かに耳にかかり、ぞくりとする。 「…もうイきそう」 片桐君の声に、俺は涙しながら口元を震わせる。 「片桐君…もう、止まって……お願い、俺、今は藍沢と付き合ってるんだって――」 と、うつ伏せだった体を仰向けに反転させられる。 怖い顔をした片桐君が、俺を見下ろしている。 「他の男の名前出すなって何度言ったら分かる」 片桐君が俺の腰を掴み、先ほどより激しく乱暴に俺のナカに突き刺すように動いた。 「俺は別れたつもりなんてない」 「…っ…」 「――離れろよ。彼に体を許してない、それが答えだろ」 ナカに片桐君が入って、出て、また入って出ていく。 片桐君の手にそそり立つソレを握られ、体がびくり、震える。 「こんなに勃たせてるくせに、イってるくせに」 囁かれる片桐君の声に全身が痺れる。 「俺が好きだって言えよ」 ナカに――熱いものが吐き出される。 俺は彼のモノが抜かれる感覚に顔を濡らしたまま、体をビク、と震わせる。 彼がベッドから降りる。 「…もしもし」 誰かと話している彼の声が聞こえる。 俺はナカから溢れ、垂れていくそれを感じながら、体を動かせない。 「…何だこんな時間に。仕事はもう終わったはずだ」 少しすると、通話を終えた彼が俺の元までやってくる。 片桐君がベッドの脇に座り、仰向けに横たわる俺の目元から流れる涙を指ですくう。 「星七さん」 懐かしい彼の声がする。 「俺、……星七さんを愛してる」 彼にしばらく見つめられる視線を感じた。 その後、静かにベッドから立ち上がり、 「また来ます」 片桐君はそう言い残すと、俺の部屋をあとにした。

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