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小さく呻き、目を開ける。 薄暗い。 いつの間に寝た? いや、まだ大学にいたはず。 バイトもなかったし、友人達の誘いを断り、家に帰って待ちに待ったゲームをやりこもうとして、帰路を急いでいた。 その時、それを阻む者が来た。 確か、薄気味の悪い男に強引に⋯⋯。 「目ぇ、覚めた⋯⋯?」 頭に浮かんでいた男が急に視界に映り、ビクッとさせた。 「おまへっ! なんのつもひだよ!」 お前、何のつもりだよ! そう言ったつもりだった。だが、何かを口に入れられているようで上手く喋れなかった。それに、痛い。 「開口具をしているから、上手く喋れないんだよねぇ。舌っ足らずな感じで可愛い⋯⋯」 前髪の間から覗く目が細められる。 「なんなんだよ、ほれ! いみわかんねっ!」 痛みを感じながらも声を上げ、手足をバタつかせる。 だが、それらも何かに固定されているようで、身動きが出来なかった。 何でた、と唯一動かせる頭を限界まで下げると、目を疑った。 上半身に自分の服ではない白い服を着せられ、胸の前で腕を上下にぴったり重ねる形でベルトらしきもので纏めて拘束されていた。 足もそれぞれ布らしきもので太ももから足首辺りまで被せ、折り畳む形でベルトで戒められていた。 海外の映画でこのような拘束をされているのを見たことがあったが、何故自分がこのようなことをされているのか意味が分からなかった。 「そんなに怖がらないで。ここは僕の部屋で、ただ君の匂い嗅ぎたくてこうしただけだから」 にこにことした顔で言う。 それでも意味が分からない。 こんな友達でもないヤツ、どこで自分のことを知ったのか。

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