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8.※
「このハンカチに初田君の匂いが付けられて、嬉しい⋯⋯。ああ、けどこれからはその必要性がなくなるけどね」
恍惚な表情を見せていた男は、にっこりと目を細める。
「ど、ゆうこひょ⋯⋯」
「そうだ、初田君もこの匂いを嗅いでみてよ。何で僕が初田君の匂いが大好きなのか分かるから」
「⋯⋯ぁ⋯あ」
不気味な笑みを浮かべたまま。その付着したハンカチを顔に近づけさせる。
止めろ、と情けない声を上げ、激しく首を振ったものの意味もなさず、それを鼻に押し付けられた。
「⋯⋯っ!」
ツンとするような、生臭さのような臭いが通り抜けた。
自身で慰めた時も嗅いだことがあるものではあるが、それでもこんな鼻を近づけるほど嗅いだことがなく、いくら自分が吐き出したものとはいえども不快感でいっぱいだった。
「また初田君のが興奮してるねぇ⋯⋯。初田君も僕がその匂いが大好きだってことが分かったんだ⋯⋯」
「あ⋯⋯ぁ⋯あっ⋯あ」
押し付けたまま、萎みに指を挿 れ、弄り出した。
「あっ、あ⋯っ、は⋯⋯あぁ」
こんなことで快感を覚えるはずがない。
そう思っている、そのはずなのに。
「あっあっ、あぁっ、はあ⋯ぁ」
この屈辱がたまらない。
狂っている。
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