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第51話
「さぁ、こっちだよ」
アフタヌーンティーはシャルメーニュの花園の端にあるガラス張りの邸宅で行われることになっていた。
ぼくはレフさんの後ろに続いて小道を抜ける。
ダリアと薔薇が乱れ咲く花園に入ると、すでに奥の丸テーブルには1人の男の人が腰掛けていた。ぼくはその人を見て目を丸くさせた。
「あっ!」
「うん?」
「ウ、ウルクと一緒にいた人っ」
「あぁー。ごめん記憶にないなー」
間延びした声で答える男性を見ながら、レフさんを振り返る。レフさんはぼくらが顔見知りなのを不思議がっていた。
「イルファと知り合いだったのかな?」
ぼくとイルファと呼ばれた男性とを見比べながらレフさんに聞かれて、ぼくはなんと説明したらいいかに迷い言葉を発せずにいた。
するとイルファは小さな爆弾を落としたのである。
「レフにぃ。こいつだよー、前にウルクとのセックスを邪魔してきた奴って」
ぎょっとなってレフさんを仰ぎ見ると、少し難しそうな顔をしていた。ぼくはセックスという言葉に驚きを隠せず顔に熱がこもってしまった。それを見てすかさずイルファがーー。
「なんだよ童貞みたいな反応しやがってー。ああー図星かぁ」
大笑いするイルファに反論することもできずにいると、レフさんがぴしゃりとイルファを叱りつけた。
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