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第96話 俺の弟がかわいすぎる(side ハイリ)
「にいさま……すきです。だいすきです」
「……!」
眠気が一瞬で吹き飛んだ。オズを見つめると、もう夢の世界に飛び立ってしまったらしい。
ずるいセリフだけ残して、俺は放置か。
「本当にお前というやつは……天然タラシだな」
血色のいい頬に、雪のように白い肌。伸びた金色の髪の毛。どこかの国の巻き毛の王子のように美しい眠り姫。
──俺も同じだなんて、言えるわけがない。
オズの負担にはなりたくない。血は繋がらないが兄弟として周りにバレた以上、よりオズへの危険が迫っている。命に代えても護らなければ。
俺はお前に救われてきたんだ。オズ。お前がいなければ、俺もシス王子のような我儘な一人っ子になっていただろう。それを、兄らしくさせてくれた。お前の前を歩くのは俺だけだ。お前の手を引いて、安全な場所へ連れていくのも俺の役目だ。
俺だけのオズでいてほしかった。
レフの友達なんかより、イルファの後輩なんかより、シス王子の従者よりも。
俺の弟のオズでいさせたい。
日を増す事に独占欲が増しているのを感じる。それを周囲にバレないよう隠すのはとても気を遣う。オズにさえ見せることは憚られるというのに。
オズの前だけは、俺は一人のハイリという人間そのものでいられる。
デューフィーの寮長、騎士団長でもなく、スウェロニア家の長子でもなく。
たったひとり、オズの前なら俺でいられる。
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