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第24話 酔っ払い完成
歓迎会は後半に行くに連れ下世話な話やストリップの話に変わっていく。何も知らない秀治はへぇ、と相槌を打って二人の話を聞いていた。酒が入ると少し饒舌になるのかアレンの心の叫びが止まらない。
「俺だって一番の古参キャストなんだよ。若い奴らにアレンおじじなんて呼ばれたくない! まだ26だし。なぁ、シュウ。俺ってそんなにおじさんに見える?」
少し悲しげな瞳でそう問われると、うんとは言えない。アレンの歳を初めて聞いたが、年相応の体をしていると単純に思った。大人の色気というのだろうか。ステージの上に立つアレンのあの挑発的な顔を思い出しぱっと頭の中で振り払う。体だって鍛えているようだし、おじさんにはとうてい見えない。
「全然、おじさんだなんて思わない」
すると、シュウはいい子だねぇと言ってアレンが秀治の頭をぐしゃぐしゃとかいた。ちょっぴりその温もりが嬉しいのは人と長く触れ合ってこなかったからだろう。
すでに出来上がってしまっているクインが着ていたシャツの胸元までボタンを開けてソファに寄りかかっている。その様が、ただ座っているだけなのに妙に色気があって秀治は目線をそらした。
「シュウー、シュウちゃん」
ローテーブルの下にあぐらをかいて座っていた秀治の肩にクインがくっついてくる。季節はまだ初夏のはずだが、触れ合う部分が熱い。クーラーを入れようかと悩むほどだ。
「シュウくんー。なんて呼ぼうかなぁ」
えへへ、と子供のように笑うクインを引き剥がそうと身を捩るが、納豆のねばねばのように離れてくれない。完全に甘えモードに入ってしまっているようだ。
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