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第37話 降谷の連絡先GET

 ほどなくしてクインがスキップしながら戻ってくる。 「蓮さんから許可もらえたよ。スマホ出して」  スマホのメッセージアプリを立ち上げて連絡先を交換する。秀治の持つスマホにはまだクインとアレンの連絡先しか入っていない。それを一度クインに見つけられ、どうしてどうしてとしつこく聞かれたこともあった。俺は友達少ない主義なの、と押し通しどうにかなったけど。二人はきっと俺が自殺未遂を繰り返していた根暗なやつだとは知らない。知らないままでいてほしい。あいつの言う通りだった。寿秀治は死んだから、俺はシュウとして生き直している。二度目の人生を始めているのだ。  スマホの画面に降谷蓮という名前がうつる。それを一目見て、さぁどうしようかと悩み出した。きちんと電話で伝えるべきか、メッセージを送るだけにとどめるか。クインとアレンやダグと違って、降谷とは一度しか会ったことがない。だから距離感がつかめないのだ。俺の親になるとかなんとか言っていたが、親とはなにかすらもよくわからない。本当の親ともうまくいかなかったからなおさらだ。父親のように頼れという意味だったのだろうか。それさえもわからない。 「ん……あれもう朝?」  寝ぼけ眼でアレンが体を起こす。毎度思うのだがカーペットの上に横になって体は痛くないのだろうか。徒歩十秒のところにそれぞれの部屋があるというのに二人はいつも俺の家に泊まっていく。 「今日はちょっとドライブでも行かない?」 「クイン車出してくれるの?」 「いいよー。最近運転してなかったから感覚取り戻さなきゃ」  果たしてこいつに任せて大丈夫だろうか。一抹の不安がつのる。

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