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第55話 R18

「喜んでくれたみたいでよかった」  照れながら笑う顔が綺麗だと思った。秀治はじっと唯斗の目を覗く。 「気持ちよかったです」 「敬語じゃなくていいよ」  スッと着ていたシャツの隙間に手を入れられて身体が小さく跳ねた。しかしそれは一瞬のことで、唯斗の手に身を任せる。探るような手つきで唯斗は秀治の腹を撫でる。その手が次第に胸元まで上がり、器用に片手でシャツを脱がしていく。こうして何度も相手のシャツを脱がしてきたんだろうか。今まで考えたこともない邪推が頭をもたげる。 「こっちも脱がしていい?」 「唯斗さんも脱いでくれるなら」  秀治のハーフパンツに手を伸ばした唯斗にそう放つと、くっくっと喉で笑われた。嫌な笑いじゃない。唯斗は着ていた薄手の半袖Tシャツを脱ぎとる。引き締まった身体が薄闇の中であらわになった。俺とは全然違う身体。それに見惚れていると、スラックスのベルトをカチャカチャと外して唯斗がボクサーパンツ一枚で秀治の上に乗る。ソファの上に横にならされ、秀治はどくどくと激しく鼓動を打つ心臓に手をやった。 「緊張してるんだね」 「初めてだからかな……」 「嬉しいな」  そつなく唯斗は応じると、秀治のハーフパンツをゆっくり下ろしていく。部屋のクーラーの冷気にさらされて、腰が震えた。寒くない? と声をかけてきた唯斗に静かに頷く。まったく寒さを感じない。身体中が火に照らされたように熱い。特に顔はきっと真っ赤に違いない。 「俺のも触って」  手を引かれて唯斗のものを下着の上から触る。すでに硬くなり始めている。俺で興奮してくれてるんだ。嬉しくなって揉み込むように触れると、待ってと腕を制された。俺のものは緊張のせいかまだ柔らかいままで、少し申し訳なくなる。 「嫌だったら暴れていいから」  優しい言葉を放って、唯斗が秀治の足の間に手を入れてくる。そのままずるりと下着を下ろされ、他人に見せたことのない場所が開かれた。

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