57 / 215

第57話 R18

「じゃあシュウくんも飲んでみる?」  妖しい響きに背中が震えた。せっかく唯斗さんがやってくれたんだし、何かお礼をしないと。秀治は唯斗と体勢を逆にして唯斗の腹の上に乗った。天高く勃ちあがる怒張をゆっくりと飲み込んでいく。唯斗は目を閉じて秀治に身を任せているようだ。懸命に唯斗の動きを真似て口を動かす。ちょっぴり塩辛いものが口内に溢れてきて驚きはしたが、我慢汁だとわかって少し嬉しくなって頭を上下に動かす。そうすると、甘く短い息を唯斗が吐くものだから胸がどきどきと高まっていく。 「ごめん、出る」  ごぷっと音が出るほど多量の精液が口内を濡らした。粘つくそれをうまく飲み込めなくて口が開いてしまう。口端から垂れて唯斗の腹の上に落ちると、それを見ていた唯斗が「えっろ」と小さく呟いたのを秀治は聞き逃さなかった。 そばにあったウェットティッシュで秀治の口元を拭ってくれる。やや脱力したような唯斗に秀治は覆い被さった。抱きしめて欲しかった。よくやったねと褒めて欲しかった。こんなふうに自分からアクションを起こせるようになったのに素直に驚く。 「ありがとう。すごくよかった」 「どういたしまして……」  なんて可愛くないセリフだろう。そう思っても、恥ずかしさが勝って次の言葉が出てこない。 「疲れたでしょ。今日はここまでにしよう」  ゆっくりと立ち上がると唯斗は服を着始める。秀治もそれにならって服を着た。薄闇の中ではラストスパートに向かっているのか激しい喘ぎ声がどこからともなく聞こえてくる。それを片耳に置いて唯斗の言葉を待った。 「今度は最後までシようね」 「……」  甘く短い口づけを落とされ、手のひらを掴まれる。王子様みたいだと秀治は思った。

ともだちにシェアしよう!