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第85話 R18
「湯加減どう?」
先にシャワーを浴びて風呂に入った秀治に唯斗はそう問いかける。意外と筋肉質なんだなと、店では暗くて見えなかった部分を覗き見ているとシャーっとシャワーをかけられた。
「そんなに見つめられると困る」
体を洗い終わった唯斗が向かい合わせで秀治の前に座る。湯船がちゃぷんと音を立てた。秀治のためだろう。白い入浴剤を入れてくれている。全身湯船に浸かってしまえば恥ずかしい部分は見えない。それにホッとするような、もっと見ていたいような思いに胸が疼き、ちらちらと唯斗の顔を見てしまう。
「肌、綺麗だよね」
そっと頬に手を添えられる。ぴくりと体が跳ねた。うるさいくらいの心臓の音が唯斗に聞こえてしまわないかと不安になる。
「すべすべしてて、食べちゃいたいくらい」
唐突に唯斗が頬に口づけしてきた。片方の手で秀治の手を繋ぐ。あ、これ恋人繋ぎってやつだ。視界の隅で固く繋がれた指を見て思う。少しごつごつしてて、男らしい手だなと。
「後ろから抱きしめてもいい?」
唯斗はいつも何かをする前に聞いてくれる。嫌だと思ったら秀治がきちんと断れるように。まだ一度も拒否したことはないけれど。
くるりと体を反転させて、もぞもぞと唯斗の胸に頭をのっける。顔が近い。至近距離で見つめられ頭に血が昇る。余裕のある表情で秀治のことを見下ろしていた唯斗がゆっくりと体を抱き寄せてきた。体の至る所に唯斗の熱を感じる。ぐりっと硬いものが尻のあたりに当たるのを感じて顔に熱が集まる。
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