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第90話 R18
「暴れ馬だよね、ほんと」
ちろちろと舌で舐め上げられる。裏筋の部分を丹念に舐められて、ぴくりと膝が笑った。最近自分でもしていなかったから、より敏感になっているのだろう。すぐに腹の奥がぐっと重くなり、伊織の口を開かせる。
「はむっ」
擬音とともに喉奥まで飲み込ませた。伊織の後頭部を掴み前後に揺らす。苦しげな声を上げて伊織が舌を絡めてくる。イラマのほうが降谷の好みだった。
「んんっ……」
伊織が喉の奥で声を漏らす。どくどくと舌の上で脈打つそれを精を吐き出してから引き離した。
「溜まってた?」
嬉しそうに笑って伊織が首を傾げる。溢れた白濁が口端から顎に伝っている。
「早く飲み込め」
はぁいと軽い返事をして伊織が喉を鳴らす。降谷は出したものを飲ませるのが性癖の一つだった。征服感に満たされ、気分がいい。伊織に身なりを整えさせて、厨房に向かった。当然のことだが秀治の姿はない。ほんとうは今日、あいつに審査の合格を伝えるはずだった。おまえは一応ストリッパーになれるぞと。そのために柄でもない駄菓子の詰め合わせなんかを買ってきてやったというのに。当の本人がいないのなら、駄菓子もいらないだろうと伊織に渡した。やったぁと子供のように喜ぶ笑顔を見て、まぁそれでもいいかと気持ちが落ち着いたところだった。
「蓮さん今度は最後までシてくださいね」
伊織がひょっこりと顔を出す。苛立つ気持ちが抑えられずその場で激しく舌を絡めた。壁時計に目をやる。閉店時間まであと十分。一発やるぶんには問題ないだろう。厨房の中で伊織を抱いた。激しく、泣き叫んでもやめてやらない。最後には腰を抜かしていた。それを一瞥して店から出ていく。外の空気がやけにひんやりとしていて、身震いした。日本の四季にはまだ慣れない。夏の終わり、秋の匂いがする夜だった。
【第一部 了】
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