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第190話 R18
降谷のマンションの地下で車を停めると当たり前かのように秀治を置いて歩いて行ってしまう。こんなところに一人で置き去りにされるわけにはいかないので、秀治は小走りになって後ろをついていく。エレベーターに乗ったあとも無言でいると、不意に肘を掴まれた。そのまま大股で部屋の前に歩いていく。半ば引きずられるようなかたちで降谷の部屋に連れ込まれた。
「な、何するんだよっ」
「……」
玄関の前で突っ立っている降谷に後ろから声をかけるが反応はない。仕方なく靴を脱いで部屋に上がろうとするとその手を掴まれた。ドアの前で両手を押さえつけられる。目と鼻の先に端正な降谷の顔があって、自然と背けてしまう。それが気に食わないのか、じっと恐ろしいほど鋭利な瞳でこちらを見据えてくる。
「んっ」
降谷に口を奪われた。始まりから怒涛の追撃のような激しいキスに体の力が抜けてしまう。この男の性急な動きについていけない。秀治は鼻で息をしながらなんとか窒息になるのを防ぐ。角度を変えて何度も舌を舐られていると、足の力がかくんと抜けてしまう。そのままズルズルとドアに背をもたれてしゃがみ込んでしまう。やっと終わったと一安心していると靴を脱がされ体を横抱きにされリビングのソファの上に落とされる。降谷の目はぎらぎらと光っていて、今にも噛みつかれそうだった。
「ま、待てよっ」
着ていたシャツのボタンを二つ外され、首の隙間に顔を埋めてくる。ちくっとした痛みを感じたと思えば、何度も首筋を吸われくすぐったさに身を捩ってしまう。それを両腕で押さえつけられ、少し落ち着いた様子の降谷と視線が交わる。ゆっくりと口にふにっとした感触を与えられ、何度も静かに触れるだけのキスを落としてくる。それが心地よくて目を細めていると、後頭部に手を回された。くしゃりと撫でられ安心してしまう。そのままゆっくりと上半身を抱き起こされ、降谷の腕の中にすっぽりとおさまると降谷がゆっくりと口を開いた。
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