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第一章 第4話 ※R18
学校を終えて帰宅した俺はベッドに寝そべりなんとなしに天井を眺めていた。
どうも胸のあたりがもやもやする。
きっとこれは葛飾のせいだ。
自身もΩにしてΩにモテる俺に嫉妬した葛飾が吐いた暴言がやけに胸の奥につっかかる。
でも俺たちは所詮思春期という奴で、“クラス”の垣根を越えて交流しだしたΩとαの気持ちもなんとなくわかる。
この世で番になれるのはαとΩの掛け合わせしかないからだ。
番を持ったらきっと幸せなはずだ。
そう、葛飾の言う通り番とか結婚とか抜きにしてヤるだけでもΩはαを求めるものなのかもしれない。
だからΩの俺たちはαの番候補を探すのが普通だってことだ。
しかし俺はΩに囲まれてちやほやされるのに慣れている。
正直言って俺は今まで付き合ってきたΩたちが好きだ。βやαと付き合ったこともあるがΩは特別だった。
中学に上がって以降今までいろんなΩと寝てきて、抱かれたことはないが抱いた感じ、男でも女でもΩは、どんなαやβの女よりも抱き心地が良い生き物だということを俺は知っている。
Ωのことが好きなΩ。
もしかして、俺っておかしいのか。変かもしれない。人に聞いてみたことはないがなんとなく、だけど明らかに少数派の人間だ。
抱かれる側になればαが欲しいと思えるのかもしれない。
だってΩはそういう風にできていて、俺だってΩの一人だから。
抱かれるって具体的にどんなだ。
俺を抱く人間なんてちょっと想像しがたい。
……例えば、木野崎みたいな「αもΩも関係ない」と言ってくれる奴だったら。
ごそごそとズボンを脱いでみる。
カバンの中からタオルを取り出し、尻の下に敷く。
ベッド脇の引き出しからコンドームとローションを取り出す。
くるくるとチンコにゴムを装填し、扱く。
「……っふ、こっちじゃなくて……」
粘膜に爪が当たらないよう、指にゴムを嵌めて後ろを触ってみる。
男Ωは女と同じで濡れるようにできているが、俺は女とヤるときもローションは欠かさないので一応ローションをドバドバ垂らす。
木野崎だったら、俺のことどんなふうに抱くだろう。
Ωだから、抱かれるのが好きかもしれない。
でも、あいつも俺と同じだったとしたら。……だったらいいのに。
抱くときって、どうしてたっけ。
思い出せないほどナカがぎゅうぎゅう指を締め付ける。
まだ一本も入ってないのに。
抱くときは、指三本くらいは入れてからヤってる。
処女を相手にしたこともあるから、ほぐすのには慣れている。
思い切って指をググっと奥に押し込んでみる。
「っは、狭……」
指一本で全身冷や汗びっしょりである。
ここからどうやったら気持ちよくなれるんだろうか。
指もろくに入らないのにチンコなんか入らねえだろ。
到底気持ちよくなんかなれない気になってくる。
でももし木野崎に抱かれたら……。
いつも俺のアホみたいな話に乗ってきてくれて、セックスするのもαもΩも問わない木野崎だったら。
ほぐすのも優しくしてくれて……。
一本目の人差し指を穴から抜いて、二本目の中指も一緒にゴムを被せる。
「っく、くるし……」
キツく締め付けるナカに指二本をぐいぐい押し込んでみる。
「き、木野崎……」
『相浦……くるし?』
「っ、うん……」
想像の木野崎が俺の背後に現れる。
『俺の……どう?』
「はぁっ……大き……も、突いて……」
『奥んとこな……ゆっくりしたげるから』
「ん……奥っ……」
ゆっくりとしか動かせない指で奥を探す。
抜いては入れようとするが、締め付けがきつすぎて緩やかにしか探れない。
とてもじゃないが自由自在に抜き差しなんてできない。
『ナカこすれんの、気持ちい?』
「うん……はぁっ……」
気持ちいいといえばそんなような気もするし、圧迫感で死にそうと言えばそんな気もする。痛くはないが、苦しいのが気持ちいいってことで良いんだろうか。
指だとチンコで突かれるであろう奥に到達しなくてもどかしい。
とにかくこれ以上の拡張は今日は無理そうだ。
「はぁっ……」
ヌポンと指を引き抜く。
ゴムを被せたはずのチンコは萎えていたので、そのまま扱いて勃たせ、射精する。
「っあー……疲れた」
射精したゴムを縛ってゴミ箱に捨て、ベッドに寝転がる。
仲のいい同級生で抜いたわけだが、言わなきゃバレないのでこの先も木野崎にはお世話になろう。
涼華が女はオナニーしないと言っていた気がするが、俺は後ろも使ってする。することにした。
この際だから後ろの拡張ができるまで毎日やろう。
なんとなく晴れ晴れした気分でパンツを履きなおし、ローション濡れのタオルを洗濯機へ放り込みに俺は部屋を出た。
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