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第一章 第16話 ※R18
「ん……」
トんだ俺の猿轡を木野崎が外し、ぺちぺちと頬を叩かれる。
「オイ、起きろ」
「は……木野崎……」
「大丈夫か?」
「だいじょぶじゃ、ねぇ……腹んナカ、熱……」
「な、相浦。俺、童貞卒業」
「そりゃよかった……」
「でも俺まだ、イッてねえから。付き合って」
「やっ……待て!もうきつ……なぁ、これ取って」
チンコに括り付けられて振動するローターを引っ張る。
「気持ちくねぇ?これ、取っていいの?」
「気持ち……けど勃ちっぱなししんどいから、取って。きのさき……ああっ、もうやだっ……」
「……」
黙った木野崎が、何やらボタン付きのリモコンを弄る。
と、ヴンッと音を立ててローターがもっと震えだした。
「あぁぁっ……これ取って!取れ!チンコおかしくなる!きのさき!!」
「これな……10倍モード」
「きのさき!やだやだ!!やめっ……あああっ」
「待て。取っちゃるから。ほんとエロい身体してんな、お前」
足をばたつかせる俺の太ももを優しく揉みながら足の付け根まで掌が移動してくる。木野崎が俺のチンコを握り、するするとローターの紐を解いていく。
「はぁっ……はっ……木野崎……テメー」
「俺まだ、イッてねぇ。もっかい」
「あっ」
入ったままだった木野崎のモノがナカを荒らしていく。ぱちゅぱちゅと音を立てながら腰を打ち付け、感じた俺がぎゅうううっ……とナカを締め付けると木野崎は俺のナカで達した。
「はあっ……相浦、俺んことも抱きたいだろ。俺もな、ヒートで後ろ弄ってっから……すぐ入んぞ」
そう言って木野崎は俺のチンコにゴムを嵌め、俺に乗っかってくる。
俺の腕を絡め取っていた服もスポンと抜いてくれる。
俺を跨いだ木野崎が俺のチンコを扱く。
「いや……待て!もうしんど……俺さっきまでイキッぱなしだったのに……待てきのさ、きぃ……」
ズプン……と俺のチンコが木野崎のケツの中に呑み込まれていく。
「っは、のわりに勃ってんじゃねえか」
「はーっ、はあっ、俺もう、出ねぇ……もうヒート終わったからぁっ……!」
「出る、出る。大丈夫。オラ、腰動かせ」
イッたのに、まだ続くセックスに頭の中がスパークする。
木野崎が浮かした腰を俺はグッと掴み、パンッと腰を打ち付けた。
「~~~~ッッッ」
「はーっ……木野崎……」
木野崎のナカがぎゅううと搾り取るように痙攣し、挿れた衝撃で木野崎がイッたのがわかる。
「ま、て、相浦、」
「待たねー」
木野崎の腰を抱えたまま、今度は木野崎をベッドに寝かす。
両手を恋人繋ぎで引っ張り、パンパンと腰を打ち付ける。
首元から胸まで、ちゅっちゅっとキスを落としながら唇で木野崎の肌を撫でる。
「あっ、あっ!んっあっ」
「木野崎……木野崎……」
お互いの唇を合わせ、舌を混ぜ合わせる。舌を吸いながら、木野崎の口を食み、深いキスをする。
木野崎が果てるのを感じながら、俺もナカで射精する。
「はーっ……もう、しんどい。無理……」
「相浦、水飲むか」
「要る」
精液の溜まったゴムを捨て、服を着ながら聞いてきた木野崎に俺は答える。
童貞処女を失ったばかりの割に、何でコイツはこんなに余裕そうなのだろうか。
セックスの他に俺が犯されていたことを差し引いても、俺と比べて物凄い体力である。
しかもヒート中で俺よりも身体はだるいはずなのに、なんだかピンシャンとしている。
「木野崎、なんでそんなに体力あんの」
「あー……運動神経は良いから」
「それ関係ねぇだろ」
セックスはスポーツ。巷で噂されるこれの実態だろうか。
1階に飲み物を取りに行った木野崎をよそに、俺は賢者タイムに突入する。
「すっっっごかった……」
正直、αとのセックスがどうとかいう考えはもうどっかに行ってしまっていた。
αと比べて、木野崎を選ぶなんてとんでもない。
最初から、木野崎しか居ないみたいだった。
道具も使って犯されたけど、挿れられた木野崎のちんぽが俺はいい。
西条さんにもハメられたけど、木野崎の方が、俺が形や硬さを意識して感じていたせいか、ずっと記憶に残っている。
俺が抱いたときも、木野崎が全身で俺を受け入れようとしているのがわかって、嬉しかった。……いつの間にかキスも、したし。
西条さんとヤッて感じたΩとαの引力は、凄まじいものだった。でも木野崎とヤるのは、もっとテンションが上がる。それは相手が、木野崎だからだ。好きな相手と、するからだ。
「ホレ、水」
ペットボトルからコポポ……とグラスに水が注がれていく。
俺は一気に飲み干しながら木野崎をちらりと盗み見る。
「ヤッたんだろ」
「何が」
「西条さんとだよ」
「……ヤッたよ」
「俺と、どっちが良かった?」
「……」
黙る俺に、木野崎の視線が突き刺さる。
出迎えて早々俺の身体を拉致した割に、そこまで察知して動いていたのか。
「光輝くんのちんぽ、ヨかったよ」
「俺との方が、気持ち良かった?抱いた方は?」
「……搾り取られた。お前に。」
カァァと顔が赤くなるのが自分でもわかる。
こんなはぐらかすみたいな言い方でも、コイツはまっすぐ聞き返してくんのか。
「木野崎」
「……俺と、付き合うか?」
「うん。付き合ってくれたら、今日ヤッたのより、もっと凄いこと、シていいよ」
「マジか!?」
「……マジ」
「お前……それでαと浮気したら、噛み殺すぞ」
「俺も……お前が浮気したら、ぶち犯す」
悪気の無い厄介ごとに西条さんを巻き込んで、それでも木野崎が良いという俺に、木野崎自身も満更ではなさそうだった。
俺のやったことと言えば出来の良いα引っ掛けて友達のΩと浮気したことぐらいだが、俺はΩ、木野崎もΩ。浮気にヒートが免罪符になるわけでもなく。
心だけは一丁前に繋がっている俺たちは、付き合うこととなった。
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