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異世界転生親ガチャ大成功してる説 1

リチャーデルクス・イオン その名前が今の井小田の名前だった。 なんとも中世ヨーロッパっぽい雰囲気と、女子が好きそうな中性的な響きは プリンセス系アニメーション映画に出てきそうなファンタジー的古城のような建物とも相まって ますますここがBLゲームの世界なのだと思えてならない。 “イオン”が“井小田”だった時、ボーイズラブという概念は勿論知ってはいたが 自分は正真正銘の同性愛者だった為、同じ所にあるようで全然違う分野だと感じていた。 遠くから見れば同じなのかもしれないが、 当事者からすると同じ球技というだけのサッカーとラグビーぐらい違うのだ。 故にボーイズラブ作品というものは一つも読んだことは無かったし、 ましてやゲームなんてわざわざやる事もなかった。 だからこの予想はなんとなく、なのだ。 もちろん煌びやかな世界観と名前だけで予想したわけではない。 存在している人間が全員男だから、というのも裏付けの一つだ。 まず両親が両方とも男だし、 たまたま自分の親の仲の良さが信じられないレベルだっただけかもしれないが 年柄年中いちゃついているので 絶対ボーイズラブではあるなとは確信している。 後は全員髪色や目の色がアニメティックだし少女漫画のように顔整いがちだから、というのもある。 そして何故ゲームかというとこれは限りなくなんとなくではあるのだが、 この世界には魔法という概念が存在しているからだ。 しかもこの世界は、魔法というエネルギーに割と依存している世界なのである。 それだけでゲームというのは決定打に欠けたが、イオンの中では一応そういうことにしておいている。 そんな現代日本では考えられない生態系とエネルギー資源と生活の世界で イオンは持ち前の開き直りと世渡り上手で 上手いこと“リチャーデルクス・イオン”として第二の人生を送り始めていた。

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