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異世界転生親ガチャ大成功してる説 2

女性向け作品にありがちとしか思えない王政&貴族システムが導入されている世界で、 イオンが生まれたリチャーデルクス家というのは何故だか相当地位の高い家だった。 この世界は皇帝の家系であるスカイ家が国のトップとなり、 その下に十家と呼ばれる上位貴族がいるというような構図であった。 リチャーデルクス家もその十家の一つだった。 まず実家は山一個分まるまる敷地、くらいの大屋敷で、 敷地内から出ようとするだけで3日は掛かりそうだし、常に中小企業くらいの数の使用人が彷徨いていた。 そして嘘だろというような両親の金遣いの荒さに幼少期イオンは小市民井小田時代とのギャップにドン引きだった。 上位貴族という家柄の所為で多少は礼儀礼節やマナーや振る舞いなどに厳しい所もあったが 同年代に比べればプラス35歳くらいは精神的に成熟していたので、 昔から物分かりがよく手がかからない良い子だと両親や使用人達には可愛がられていた。 だが35年分の経験の蓄積が余計な部分もあり、言語や常識の面では少々難儀した。 とはいえ肉体も脳もフレキシブルで伸び盛りだった為か、こんなに物覚えがよかったのかと思うほどだった。 学校というシステムもあるようだったが、 屋敷の立地的に通うのは難しく基本的には家庭教師やらが常駐しており、 言語や計算やそれから魔法についても少しばかり学んだりもした。 魔法というのは本当に不思議なもので、 井小田時代の知識では階段下の魔法使いくらいしか知らなかったが あそこまでぶっ飛んでなんでもできるというわけでもないようだった。 少なくとも箒で空を飛ぶことも出来ないし、魔法の杖も要らないらしい。 それに誰でも使えるというものではないらしく、皇帝家や十家を始めとした貴族を中心にその力を有していて 生まれ付き魔法を授かった“魔法使い”は人口の半分にも満たないらしい。 そのありがたい力のおかげで貴族達は絢爛豪華な生活を送っているというわけだ。

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