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異世界転生親ガチャ大成功してる説 3
異世界転生親ガチャ大成功してしまったイオンはお陰さまですくすくと成長し、18歳になった。
鏡の中に居る自分は、自分のようで自分ではないようで不思議な感覚だった。
井小田時代よりも明らかに背丈が伸びているし、オレンジ色に近い明るい茶色の髪に緑色の瞳は
日本人ではコスプレイヤーくらいしかあり得ないもので
別の人間なんだ、と思い知らされてしまう。
顔立ちもどちらかといえば西洋チックだとは思うけど、吊り目がちな目元とか角度のある眉とか、
なんとなくだが井小田の気配も感じるようでもあった。
この世界の人々の造形からすると前世と変わらずモブ顔、ではあるのだろうけど
そのメロンソーダみたいな合成着色料じみた瞳には若干怯えも感じてしまうイオンだった。
上位貴族というだけでなく、会社も経営しているらしい両親は屋敷を不在にしがちだったが
屋敷内に基本的になんでもあるので、イオンはほとんど家から出る事もなく過ごしていた。
同じ年頃くらいの人間は使用人の子ども達くらいでそれなりの仲は良かったが、
立場の関係上あまり深く関わる事はなく
周りにいつも人は沢山居るものの基本的には一人で孤独に過ごしていた。
しかし、18歳になれば流石に学校に入らねばならないらしく
イオンは“ハートン学園”という学校に入学させられた。
学園、全寮制、貴族の男ばっかり、という女性向け作品役満の設定を持ったこの学園は
十家の1つであるハートン家が運営する魔法を学ぶための学園で、
十家を中心とした貴族の子ども達が通い、
歴史や魔法についての見識を深め、学び、魔法をより有効に使用できるよう訓練するための施設であった。
魔法は誰しもが自由に使えるものではないからこそ、きちんと学び、正しい心を磨く必要があると立派な校訓が掲げられており
法律的にも学園の卒業資格が無ければ魔法を使用してはならない、という決まりもあるらしく
故に例え貴族でなくとも魔法を有するものであれば例外なく入学するよう義務付けられているのだという。
ハートン学園では主に18歳で入学し、20歳までの3年間を寮で過ごすことになる。
自動車学校みたいなもんかな、と思いながらも
イオンも他の貴族の子ども達と同様に学園の門を潜ったのだった。
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