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花の主人公 6
1年生のクラスは2クラスあったが、リウムは同じクラスに入って来た。
担任の教師に紹介され、早速彼は色んな注目を集めていた。
単純に彼のオーラに圧倒されている生徒が多いようだったが、
中にはやはり庶民というところで面白くないという感想を抱いている人間もいるようだった。
リウムは挨拶を終えて顔見知りのイオンの隣に座ると、恥ずかしそうに肩を竦めた。
「挨拶…変じゃなかったかな…」
「全然。バッチリじゃん?」
「よかった…こんな大勢の前で喋ったのなんて初めてで…」
彼は朝もずっと緊張すると言っていたので、挨拶という一大行事が無事に済みホッと胸を撫で下ろしている。
「そういえば、リウムくんはどの授業を受けるの?」
「あ…えっと一応…“光”の授業を…」
リウムは肩を竦めたまま小声で答えた。
とてもゲームっぽいなとイオンが感じる要素なのだが、魔法には様々なジャンルがあり、
その全てのジャンルを1人の人間が扱えるかというとそうではなく大体は1つか2つのジャンルを得意としているというところだ。
潜在的に持っているのであれば他のジャンルの魔法も少し扱えるものの、
得意ジャンル以外は大した魔法ではなくなってしまう。
そして魔法の種類は人によるが大体4〜5個程度のジャンルしか扱えない。
その割合は数値化され、より数字が大きいものほど潜在的に得意ということであり
鍛えることによってある程度は、数値を伸ばすこともできる、というものだった。
生徒は歴史や基本的な魔法概念といった全体の授業とは別に、
入学前に数値を測られ上から2つまでのジャンルの授業を受ける事になっている。
「そっか…俺は疎通と守護だから別になっちゃうね」
イオンは“疎通”というモノや別の生き物の意思や言葉が分かるという使えるんだか使えないんだかよく分からない魔法と、
“守護”というその名の通りどうも結界を張れるらしいという聞いただけでは活かし所がよく分からない魔法を持っているらしかった。
このゲームに戦闘システムがあれば、完全にサポートキャラかもしくは馬車にいさせられる二軍扱いだろうけど
自分らしいといえば自分らしいと解釈しているイオンだった。
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