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麗しの婚約者 3
疎通という魔法の中でも色々あるらしいのだが、主な魔法としては人間以外の存在と話をしたり感情を読み解く事が出来るというものだった。
動物と話が出来るというプリンセスライクな能力だが、この世界にはドラゴンや妖精といった不思議生物も存在しているらしいので彼らと話す事も出来るし
なんなら物や無機物とも会話ができるらしい。
仕事にするのであれば現代日本でいうところの通訳、といったところだろうか。
実際疎通魔法に優れた人間は、外交官的な職種に就くらしい。
だが疎通の素質があるからといってどんな存在とも喋れるわけではない。
能力の高さによってその力量は変わってくるらしく、ハッキリとした言語として聞き取れるのはかなりの上級なのだそうだ。
勿論学んで理解を深めたり練習をすれば、
所謂数値と呼ばれるものも上がり数値が上がるほど魔法の熟練度は高まる。
テストの点数のようなものだと思えばそうなのかもしれないが、
魔法のジャンルだの数値だのはどうしてもゲームの世界だからと思えて仕方がない。
もしかするとレベルとかもあるかもしれない。
イオンの現段階の数値は全くもって可もなく不可もなくといった所である。
「あー…それでは…このツボの気持ちを読んでくれたまえ…
そこの…前から二列目の君」
老人先生は、中央の教卓の上に乗った骨董品のような青い壺を一瞥すると
適当に生徒を当て始める。
「ええっと……うーん……お腹すいた…とか?」
当てられた生徒は適当な事を言っており、魔法使いはため息を溢している。
イオンも当てられてはいないもののなんとなくやってみた。
壺はどちらかというと高貴な雰囲気を受ける。
ちょっと薄汚れて見えるが結構値段がするものなのかもしれない。
それ故に若干不満げな感覚が入ってきた。
この魔法の感覚は本当に井小田時代には無かったもので、未だに使いこなせる自信がないのだけれど。
「壺は果たして何を食らうというのかね…」
「すみません…」
「はぁ……では、レンシアくん…読みたまえ」
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