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ミステリアスな同級生 1

取り残されたイオンは、ようやく一人になって 今日は何かと騒がしい一日だったと妙にしんみりしてしまう。 毎日毎日家と会社の往復で、恋愛や青春どころかホッと一息吐く暇さえなかった事を思い出すと今がとても幸せに思える。 窓の外はすっかり暗く日が落ちていて、イオンはカーテンを引こうとそちらに近付いた。 太陽系にある疑惑のあるこの世界は、やっぱり夜空には星が輝いていて もしかしたら地球が見えたりしないだろうかと 窓に顔を近付けて眺めようとすると、ガラス窓の向こうに誰かの目が覗いていた。 「キャァァ!」 思わず飛び上がって後退ると、窓が勝手に開きフードを目深く被った人間が入り込んできた。 ドキドキと心臓が暴れ出しているのに翻弄されながら、イオンは壁まで退避する。 「おばんです」 勝手に窓から部屋に侵入してきた人間はフードを取ったが、 分厚い眼鏡の所為で表情はよくわからない。 「びっ……くりした…」 「何を言ってるんだ。今に始まった事じゃないだろ」 「そういう問題じゃないってローラ…」 「またおっ始まりそうだったから逃げてきたんだ… 全く空気を読む身にもなって欲しいものだ」 侵入者はやれやれと言ったように腰に手を当てている。 彼はローラといい、すぐ上の部屋に住む同じ1年生の生徒だった。 三人部屋だが、どうも他二人がイイカンジらしく自分の部屋ながらなかなか居辛いとのことでローラは度々窓を伝ってイオンの部屋にやって来ていた。 「今日から編入生と同じ部屋らしいな」 「あぁ…リウムのことね。なんか用事があるって今はいないよ」 「ま、そうだろうな」 ローラは窓を閉めると我が物顔で部屋を歩き回り、勝手にイオンの机の椅子を引っ張り出している。

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