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ミステリアスな同級生 6

「イオン君、君はキッスをしたことがあるかね」 急な質問に、イオンはつい顔が熱くなりながらも首を横に振った。 「ではキッスを想像できるかね? それも経験した事がないようなあま〜〜いのうこ〜うなやつだ」 「う……な、なんとなく…?」 「経験したこともないのになぜリアルに想像できると思う?」 「えっと……」 ローラの質問に脳では勝手に架空の恋人との接吻の映像が浮かんでいる。 「パラレルワールドの君が知っているからだよ。或いは未来の自分、かもしれない。 それは君が今とは違い手癖の多い君だった世界線かも知れないし… この先の未来のどこかで幸運にも恋人ができた世界線か…、それはまあさておき その世界線の情報を受診し脳内に映し出す事によって追体験できるわけだ。 物語を描く時も一緒だ。どこかの世界を覗き見て、それを受信してなんらかの形で表現しているに過ぎない。 こんな生物はこの世界には存在していないんだ」 ローラはそう言いながら眠っているウサギをペンで指した。 混乱しそうな頭でイオンはどうにか今の話を仮に本当として考える。 「つまりえっと…俺の世界ではゲームとして存在しているかもしれないけど… それは誰かがこの世界を受信して作品として描いたのであって……でもこの世界は作り話では無くて本当に存在していて…ッテコト?」 「及第点」 先生よりも先生のようなローラの言い方にイオンは何故か、はぁ、と安堵の息を溢してしまう。 つまり超絶簡単にまとめれば、この世界は現実でもある、という事だ。 「…お前はやはり“意識”と“記憶”を持って来ているようだな」 ローラはノートを閉じると、じっとこちらを見上げてくる。 それは転生している、という事なのだろうか。

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