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生まれ変わり 4

「ローラはどうして俺にこんなに親切に教えてくれるの?」 「親切かどうかはわからないが…俺は他の次元や並行世界に興味がある。意識や思考にもな。厳密にいえばそれを構成している素粒子についてだが…。 だから他の世界から来た奴がしでかす事には単純に興味があるというだけだ。」 「そっか…」 結局よく分からないが、 彼は彼なりの目的があるのだろうと思う事にするイオンだった。 「…言っておくが俺はサポートキャラでは無いぞ?」 「え?」 「お前の言っていた“ゲーム”とやらを少し下ろしたんだ。 全くもって道理が理解しきれないが、世界が箱の中に閉じ込められているなんてな」 急に旧時代みたいなことを言い出すローラに、 確かにこの世界は魔法が主なエネルギーなので電気工学は少々勝手が違うのかもしれない。 そう思うと、もしも彼らが地球に行ったら今の自分のように戸惑うのかも、と。 「うーん…本当にゲームかどうかは分からないよ?それっぽいのかなというだけで…」 「お前の世界のシステムはよく分からないが、 どんなに頭で理解し難くとも存在が確認できるものは全て数式で表せる…つまり、いつかは理屈で示せる…理論があるという事だ。 表せないものは、そもそも確認できない。認知すらできない。 あるかないかの議題にすら上がらないんだ」 「そっか…じゃあ、運命とかも、ある、ってことだね」 「ああ。認知されてしまったものの“無い”の証明は難しいからな。 観測するまで、完全に無いとは言い切れない」 「シュレディンガーの猫ってやつ?」 「……なんだそれは」 「ふふ。ありがとうローラ、すごく助かってるよ 変な質問にも答えてもらえるのはさ…」 イオンが微笑みかけると、ローラは怪訝そうな顔をしていたが やがて少し頬を染めながら目を逸らした。 あまり手入れの行き届いていなさそうな切りっぱなしの黒髪は若干寝癖も付いていそうで、 息を吸うよりも前に見てくれに気を使う貴族達に囲まれた学園では少々浮いて見える。 その表情を隠す分厚い眼鏡も作画が違いそうな要素の一つでもあるが、 隙間から見える長い睫毛に気付くと 眼鏡を取ったらあら美形的なパターンなのかなとか思ってしまうイオンだった。

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