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生まれ変わり 8

「行儀良く順番を待てればいいが、そうではないのが人間というものだ。 生きるか死ぬかという時は特にな」 「……そっか…下手すれば争いの原因になるかもしれないってことか」 「如何にも。本来は無くて当然と考えてもらった方が良いのだよ 自然の法則を逆行する程行きすぎた力というのは文明を滅ぼしかねない。 だから神も“完全には与えなかった”んだ」 「理にかなってるかも…」 「そうだ。全てにはきちんとした意味があるのさ それなりの理が成立していなければ早々に淘汰されているはずだからな」 「ローラってなんか賢者っぽいね」 「ただの予想家だ」 「それだとギャンブラーじゃん…?」 いつの間にかノートにはやたらとキラキラした眼のファンシーな動物達で埋め尽くされていたが 随分と疑問が解消されたような気がする。 「お前は少し素直すぎるな…精霊に漬け込まれないようにしろよ」 「精霊?」 「癒しの魔法、光の魔法、そして疎通の魔法には同じ要素があるんだ 今の説明からいえば同じ配列が含まれる、ということだ 授業で習わなかったか?」 ローラの言葉にイオンは首を横に振った。 「精霊は魔法を食べる。 口をきく相手がなんなのか、ちゃんと見極めるんだぞ」 それは疎通の授業でも教師が言っていたような事で、 ローラは分厚いレンズ越しの濃紺の瞳を鋭く輝かせていた。 折角疑問が解消しかけていたのに、また意味が分からない事が出てきてしまったが なんだかあまり追求できずにただただイオンは頷いた。

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