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精霊騒ぎ 2

「でもそもそも何でシャンデリアが落ちてきたんやろ… あの人も…上級生みたいやったけど…」 「精霊を呼んだって…アニーフ先生が言ってた。 テスト前は多くなるんだって…」 「精霊って…おとぎ話じゃないん…?」 「ふむ。なるほどな。通りで」 ローラはそう言いながらも腕を組んで食堂内を見回している。 「なんなのそれ?」 「精霊は魔法をたべる、最初はおんど、その次ことば、最後はこころ…ってやつよな?」 「童謡…?かごめかごめみたいな?」 軽く歌ってくれたイヴィトに、 意味がわかると怖い歌みたいな事なのだろうかと首を傾ける。 「上級疎通魔法が使えても口をきいてはいけないと言われる存在の一つだ。 魔法が好物で、目を付けられると命を奪われるまで魔法を吸い尽くされ付き纏われると言われている。 だが精霊は“呼ばない”と現れることができないから 本来は取るに足らない存在だ」 「じゃあ…食べられるって分かってて呼んだってこと?」 「呼ぶというのは何もおいでくださいと言うわけじゃない。 言ったろ?全部数式だって。 魔力をある数値まで上げてしまうと、精霊を呼ぶ数字になってしまうんだ。 精霊はそれを“呼ばれた”と勘違いして現れる。 その時に精霊の呼びかけに応えてしまったら、魔法を奪われるって寸法だ」 「そんな…トラップみたいな…」 「でもなかなか起きることじゃないはずよな… 大人が躾で脅す為に言ってることやと思ってたもん。 言うこと聞かんと精霊を呼ぶで!って」 精霊という存在はどうやらナマハゲのような扱いを受けているらしいが、教師も口にしていた事だし本当にある事なのだろう。 「数値を上げると言っても限界を突破し続けなければ到達できないようなレベルだ。 だがここは魔法を向上させる為の学園だからな。 テスト前に過度な訓練をするような生徒は少なくない。 特に下位貴族は優秀な成績を収めないと離縁される恐れがある家柄が多いからな…」 「そうなんだ……」 「十家なんかは努力せずとも普通にしているだけで並以上の場合が多いから分からないだろうが 血が薄い下位貴族はカスみたいな魔力を寄せ集めるしかないんだ」 「言い過ぎでは…?」 並以上の自覚は全く無かったが、 十家であるというだけで立場が少し違うらしくイオンは何も言い返せなくなってしまう。

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