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ようこそ!村八分席へ 1

朝と同じ席にいたローラとイヴィトは目を丸くして固まっており、 イオンは苦笑しながらも隣に立っている生徒を片手で指した。 「えっと、エルメーザくん…です。」 あれから、何故かお夕飯をご一緒することになってしまい イオンは仕方なく次期皇帝ことエルメーザくんを食堂端の村八分席にエスコートしてしまった所存だった。 「……ええ!?殿下!?何でぇ!?」 「なんだぁ?身長180超えのデカブツばっかに囲まれて飯を食わなきゃならんのか俺は」 イヴィトは死ぬほど恐縮しているが、ローラは相変わらず太々しい態度をとっている。 「……イオンくん…やはり…私は…お邪魔ではないだろうか…」 「イオンくん!?」 何故か申し訳なさそうなエルメーザにイヴィトはいちいち突っ込んでいる。 普段別室で一人で食事をとっていると聞かされてしまったので、誘うしかなかったのだ。 「あー…いいんすよ。そもそも悪目立ちしてたし…」 今朝以上に視線がすごいことになっているが、イオンはもう開き直った後だったのでどうにでもなれ状態だった。 だがエルメーザは食堂内のどよめきを流石に少し気にしているようだった。 「しかし…やはり…」 「もー!気にするのやめましょ! ほらみんなアタシが美しすぎるからつい眼で追っちゃうの!ね!?」 「よっ視線泥棒」 「見るだけならタダよ!」 イオンが謎のセクシーなポーズを取るとローラは乗ってくれた。 やはり持つべきものは友である。 「イヴィトも敬語なしね、だってただの同級生なんだから。いい?」 「うー…えー…いいんかな…?」 イヴィトは流石に戸惑っているようだが、イオンはエルメーザを座らせ自分も隣に座った。 机を四人で囲むことになってしまい、流石にちょっと狭い感じもした。

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