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ようこそ!村八分席へ 3

「……まさか、分かってたわけじゃないよね…?」 「さぁな。だが選択したのは君だ。 予想とは数ある未来というパラレルワールドの中の一番可能性の高い確率を統計的に算出しているに過ぎない。 それも、部分的にな 高いとはいえ確率は確率だ。絶対ではない」 相変わらず理論なのかスピなのか分からない事を言うローラは まともに取り合っても無駄な気がして、そうですか…、とだけイオンは溢した。 「したらイオン急に泣き出しちゃってさー。 十家なのに鼻水だらだらで泣くんよ?子どもみたいよな」 イヴィトはいつの間にかエルメーザと砕けて喋っていて、人のことをネタにしている。 二人ともいい人だしコミュ強なので連れてきても問題はないだろうと思ったのは正解だったようだ。 「鼻水か…」 「あ、鼻水って知っとる?ええっと風邪引いた時とかに基本出るんやけど…」 「それくらいはわかる」 冗談の通じない恐ろしい男のようにも見えるが、きっかけさえあればエルメーザは案外うまくやれるのかもしれない。 きっかけは些細な事で、だけどその些細が後々大きく道を分ける事になるのかもしれない。 ちゃんと友達になろう、と言えればよかっただろうか。 バカにしないでって、怒れたら? 井小田は、本当はどうしたら良かったのだろう。 今はもう、分からないけれど。 でも、誰にも同じ後悔をして欲しくない気はしている。 走馬灯に流れる映像は、 楽しいものだらけで、嬉しい事だらけで、良かったと思える事ばかりであって欲しいから。 手の届く範囲で、自分が何か行動できる事なのであれば出来るだけ。 それが今できる“最良の選択”だと、イオンは思うのだった。

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