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錯綜する情報とエンディング 2

「ヴァガ伯爵の悪事を暴く……?」 不穏な内容に眉根を寄せていると、朝食を取りに行っていたらしいローラがフラフラと戻ってきた。 彼はドカッとトレーを机の上に置くと、やれやれ、と言いながら腰を下ろす。 「ローラ…これって…」 「知らんぞ。俺は下ろした内容は覚えちゃいないんだ それが霊視…もしくは神託、だな。 まあ、前に説明した並行世界の受信ってやつだな… 媒体が二次元同士だとやりやすいから、何かの“紙”を下ろした」 「紙…か、攻略本とかかな……?」 BLゲームにそんなしっかりした攻略本が存在するとは思えないが、この世界の事を書かれた紙といえばそのようなものだろう。 しかし他の文字を見てみるが、 我が最推しローラたそ攻略対象に入れてホヂ、や エルメーザ×ローラくだ^^、と言ったものが書かれている。 「ヒィ…推されてる…」 イオンは思わず目の前で貴族とは思えない行儀の悪さでパンを貪っているローラを見てしまった。 彼は、あ?と威圧してくる。 どうやら攻略本ではなく一個人の落書き帳なのかもしれない。 まさか推しに霊視されるとは思っていなかっただろう。 可哀想に、と思いながらもイオンは他に情報がないか探してみた。 だがやはり基本的にはローラへの性癖が書かれているらしく、 彼が内容を覚えていなくて良かったと思う所存だった。 「何かわかったか?」 「…ヴァガ伯爵って…知ってる?」 「ヴァガ伯爵……?あー……」 ローラは唸りながらもやや上の方を見上げている。 「………確かエルたんの婚約者殿を養子にとった人じゃないか?」 「レンシアさんか…じゃあ…この悪事を暴くって…」 イオンは、皇帝ルートについての嫌な予感が的中したらしいと悟ると思わず腕を組んだ。 エルメーザと付き合うということは、 彼の現段階のパートナーであるレンシアを失脚させる事が必要になってくるだろう。 ましてや彼らは国ぐるみの婚姻関係を結ぼうとしているのだから、余程のものがない限りは難しい。 そうなってくると一番簡単な方法は、 レンシアが次期皇帝と結婚するに相応しくない人間だと思われるような要因を露呈させる事である。 そしてこのメモの書き方的には、彼が養子となった伯爵には何か裏があるようだ。

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