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錯綜する情報とエンディング 4
「お前が思っている事が事実とは限らないように、誰かが書き記しているものも事実とは限らない。
正しくは事実であり事実ではない。角度や切り取り方を変えれば意味合いも変わる。
絶対的な善も完全なる悪も、全てにおいてそうであるとは決定付けられない」
「……じゃあ、どうすれば……」
「何を見出すか、何を信じるか。
それを他人に委ねずにいる事だな。
自分でどうするかを決めるんだ」
「それって占い師失格じゃ…」
「統計だと言っただろう!占いはただの補佐的な助言であって運命だのは自分で切り拓くものだ!」
主人公みたいな事を言っているローラだが、どうやら彼は攻略対象ではないらしいのでサブキャラみたいな感じなのかもしれない。
だけど、彼も言っているようにそれは現代日本での話だ。
現代日本ではゲームとして描かれていても、この世界は実際に存在しているのだから。
彼らだって、本当はキャラクターなどではなく命のある人間なのだ。
だから、例えそういう物語を辿る可能性があるとしても
無闇に傷ついていいわけではない。
「……ありがとう、ローラ…俺に何ができるか考えてみるよ…」
彼のように自分の役目をはっきりと自覚していて、それに向けて動くような事はイオンにはまだ難しそうだったが
現代日本では何も出来ないままに死んで、何故かこの世界へやってきた。
それには何か意味があると思いたかったのだ。
「あぁ…励みたまえ……」
ローラは欠伸を溢しておりその様はお世辞にも可愛いとはいえなかったので、
現代日本では可愛らしく描かれているみたいでよかったねと思うイオンだった。
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