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魂のイロ 2

「最後は、炎と光の二項目での数値に加え筆記テストも学年トップだ。 スカイ・エルメーザ」 案の定エルメーザは超成績優秀者として呼ばれており、拍手も一際大きかった。 背筋よく校長から賞状を受け取り、大して興味が無さそうなのにそれを受け取るに値すると全身で表している。 席まで戻る道中も割れそうな程の拍手と称賛の嵐に包まれている彼は、 今日だって同じ部屋で隣に寝ていたはずなのに、レンシアにとってもなんだか凄く遠い人のように感じてしまう。 だが、エルメーザは出会った時からずっとそうだった。 婚約者なんてただの記号に過ぎなくて、彼はずっと雲の上の人なのだ。 「さて、皆にもう一人紹介したい生徒がいる。 ジョルシヒン・リウム」 校長が呼んだ生徒は、軽やかな足取りで前に進み出た。 会場内は当然どよめく。 「彼は3ヶ月前に編入してきた。 そして、癒しの魔法を有している事が判明した。」 校長の発言には会場内はますますざわざわとなった。 「その数値も歴代最高に近しく…また、彼自身は総合成績も優秀だ。 スカイ・エルメーザがいなければ光魔法でもトップであっただろう。」 校長にベタ褒めされ始めるリウムは、少し恥ずかしそうに後ろで手を組んで俯きがちに立っている。 歴代最高に近い? 今回のテストで更に数値が増えていたのかもしれない。 もしかすると、自分以上に? レンシアは膝の上で両手を握り締めた。 「もちろん魔法は数値が全てではない。 魔法は魂に宿り、人格に左右され、感情や思考を形成する。 素晴らしい志の者には素晴らしい魔法が溢れる。 己を磨く事、そしてその使い方を見誤らない事。 これからも精進するように」 校長の言葉はホール内に響き渡り、生徒達はそこへと視線を注いでいたがレンシアだけが俯いていた。 「夏休みに入る前に、学年合同のパーティが開かれる。 そこには様々な来賓の方も訪れる。皆素行よく過ごすように」 さっきまで校長の言葉を神妙な面持ちで聞いていたのに、 パーティという言葉で生徒達は浮ついた空気に包まれた。

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