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幻獣生物 5

「リウム!!!」 大声を上げながらこちらに何名かの生徒が駆け寄ってきた。 その先頭にはエルメーザの姿がある。 大鷲は二匹連なって飛び立っていってしまい、入れ替わりに人間達がやってくる。 「エルメーザ様…」 「リウム…!?」 エルメーザは地面に転がっているリウムに駆け寄ると、その手首に巻き付けられているロープを引きちぎっている。 どうやらリウムは気絶してしまっているらしく、彼の頬を撫でながらエルメーザは顔を歪めた。 「なんて酷い怪我だ…」 一緒に来ていた他の生徒も駆け寄ってくる。 イオンの姿はなかったが、いつもエルメーザと一緒にいる二人と他にも数名同じクラスの生徒がいた。 どういう集まりなのかは分からないが、リウムを探していたのかもしれない。 「さっきいたのは、フレスベルグだな…?」 エルメーザはこちらを睨んでくる。 彼の目はいつも冷たいけれど、それは怒り孕んでいた。 「…ええ、すごく怒っていたみたいで…」 「誇り高き幻獣が人に怒ることなど早々ない」 「ですが…」 「お前が指示したんじゃないのか」 エルメーザはリウムを抱え上げながら低い声で呟いた。 思っても見なかった言葉にレンシアは目を見開いてしまう。 「…え、…?」 「お前の“疎通”は上級魔法並みだ。幻獣生物を操る事も造作ないはずだ」 「ちょっと、待ってください…あ、操るだなんて…」 敵意を向けられ、レンシアは困惑してしまった。 あの大鷲達と同じように怒りで我を忘れているのかもしれないけど、それにしても突飛すぎて。 「私に隠れてお前がこそこそ何かをやっている事は知っている…」 「は…?一体なんの…」 「リウムの存在が面白くないのもな」 それは少し図星で、レンシアは唇を噛んだ。

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