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温室の天使 5

「2人ともここにおったのか…制限時間はとっくに過ぎておるぞ」 「す…すみません…」 先生が現れて、2人の会話は中断されてしまった。 怒られると身構えたが、老人は2人を見るとふむと頷いた。 「リチャーデルクス・イオンはヨコジマオウム… ヴァガ・レンシアは……言うまでもないな。 よかろう、二人とも合格だ」 「ありがとうございます…」 教師に戻るよう顎で指示をされ、2人は慌てて立ち上がった。 レンシアは猫を起こさないように抱き上げ、イオンも先生の後についていくが オウムは全然離れてくれない。 「おい…お前もういいだろ…」 『ミオクッテヤル!エンリョスンナッテ!』 「みんなの前で余計な事言われたら嫌なんだけど…」 『イワネーヨドーテー!』 「だからそれやめてって」 本当の事だから仕方がないとはいえ流石に童貞とか言われたら恥ずかしすぎるし、 レンシアの前でも本当に言わないでほしかったと思うイオンだった。

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