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ともだち 4
「とにかく、何か手があるはずです。
俺がなんとかしますから諦めないでください」
「なんとかするって…どうしてそこまで…」
「それが友達ってもんでしょ!」
「そう……なんですか…?」
「そうよ!!たぶん!」
イオンは胸を張っているが、実際に友達とはどういうものか分からないので首を傾けてしまう。
だけど、やっぱり無様に争うよりすっぱり諦めて受け入れた方がいいのではと思ってしまうのだ。
その方が無駄に傷付かなくていい気がして。
「……とりあえず、ゆっくり休みましょ。
ちゃんと食べてちゃんと寝ないと、ろくな事思いつかないし
一生病んでいっちゃうから」
ね?と首を傾けられてレンシアは頷いた。
泣き疲れて若干ぼうっとなっていた頭の中でイオンの声は不思議と響いてくる。
落ち着いていて穏やかで、明るくて楽しげなのに、妙に心地がいい。
なんだか眠くなってきてしまって、
どこかぽわぽわなりながらもまた彼に手を引かれていくのだった。
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