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ロージーローズ 1
もう勉強もしなくていいし、上品に振る舞う必要もない。
いつまでも寝ていたって誰も怒らないし。
それはどこか寂しいようで、なんだか解放されたような気もして
だけどやっぱり罪悪感が生まれてしまう。
レンシアは人生で初めてくらい爆睡してしまって、ほぼ丸一日寝こけていた。
そんなに寝たのは気絶して倒れた時以来くらいのものだ。
もう日が落ちかけている中目を覚ますと、イオンは机に向かって何か作業をしているらしかった。
「パワポが欲しい……っ……」
謎の呪文を唱えているが、その血気迫る姿をぼうっと見つめて
レンシアは再びベッドに横たわった。
少し寝過ぎたせいなのか、なんだか身体が重たい。
ただ何をするでもなく横になっていると、窓の開く音が聞こえてきた。
「おい、持ってきてやったぞ」
「ありがとう!!!」
「血眼じゃないか…定期テスト前にもその必死さが発揮されればよかったのにな」
「うるさい!レンシアさんの命がかかっているんだ!」
イオンは変なテンションになっているらしいが、レンシアの為に何かしてくれているらしかった。
そう思うとレンシアは申し訳なさが込み上げてきて
起き上がって手伝った方がいいかと思うが、邪魔したくないような気もしてしまう。
「しかし…何をしでかすつもりだ?」
「レンシアさんのイシューは資金援助について
でも従来のやり方ではブレイクスルーできない」
「何を言ってるんだかさっぱりだな…」
「だから校長に直談判して財団法人的なのを設立する」
「ホウジン?」
「慈善活動団体みたいなやつ!」
「ふーん…」
イオンの言っていることは不思議で、レンシアにとっていつも半分くらいしか分からないけど
彼の目にはこの世界は全然違うものに見えているのかもしれない。
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