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ロージーローズ 2

レンシアはやっぱり我慢できなくなって起き上がった。 彼の机の隣にはローラの姿があった。 「イオンさん…」 「あ、レンシアさん…すみません煩かったですよね…」 「いえ…そうではなくて…えっと……」 「2日くらい飯を食わず、風呂にも入らず、寝ても悪夢ばかり見るみたいな顔をしているなぁ。レンしぃ」 「おい…変なあだ名つけるなよ」 ローラは腕を組んで真顔でこちらを見下ろしてくる。 レンシアはベッドの上を這って、床にフラフラと降り立った。 「何か手伝える事はありますか……?」 「大丈夫ですよ、ゆっくりしててください」 「ですが…」 「風呂に浸かって飯でも食え。それがレンしぃの仕事だぞ」 「いいこと言うじゃんローラ…普段は人の事よく喋る粒子としか思ってなさそうなのに…」 「分かっているじゃないか」 仲の良さそうな二人の掛け合いにはついて行けそうもなく、レンシアはフラフラと立っている他ない。 「来い。俺の部屋にはバスタブがある。三人部屋特権だ」 「まじかよーいいなぁ」 「変わってやってもいいぞ?」 「断」 ローラはそう言いながら窓を飛び越えていくので、レンシアはどうしたらいいか分からず開きっぱなしの窓を見つめてしまう。 「ちょっとローラ!ちゃんとドアから行ってあげてよ!」 「この方が楽なんだ。上に来い」 ローラは窓から手だけを出すと天井を指差した。 「はぁ…全く。レンシアさん行ってきていいですよ シャワーより絶対いいと思う」 「……でも…」 「えーじゃあイオンのお願いっ」 イオンは何故か両手を組んできゅるっと瞳を輝かせている。 その謎のポーズにレンシアはつい苦笑してしまった。 「…わかりました……」 なんだか彼と喋っていると卑屈な自分がわがままな子どもみたいに思えてきてしまう。 レンシアは仕方なく着替えとタオルを持って上の階へと向かった。

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