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前世のスキル 4

「イオンにも風呂を貸してやろうと思ったがやめた。風呂場でシコられたら嫌だからな」 「は、はぁ!?しないよ!?バカじゃないの!?」 「どーだか…」 オウムと同じレベルの事を言われてイオンは思わず机を叩きつけるようにして立ち上がってしまう。 ローラは生首の状態で疑うような白い目で見てきて、こちらを振り返っているレンシアは不思議そうにしていた。 窓枠に手をついて背中を反っているような姿はなんかもう色々と変な想像してしまいそうで慌てて二人に背を向ける。 「レンしぃ襲われたら俺のとこに逃げてきていいぞ。 まさか弱みに漬け込むような最低男とは思わなんだ」 「そんなことしないってば!!」 大変不名誉なことを吹き込まれているが、どうやらローラは何か勘付いているらしい。 イオンも自分でもまさかと思っているのに。 「……いいですよ…俺は別に… それでイオンさんのお役に立てるなら…」 レンシアはサラッととんでもない事を言っており、思わず振り返ってしまう。 「な、ななななにいってんの??誤解を招くからやめよう??」 「一応身体は隅々までピカピカにしましたし…爪も切りましたけど……」 「や、やめよう???」 「…冗談だ。勘弁してやれ…こいつは童貞だ。 結婚するまでキッスもしてはならんと思っているぞ?」 意外にも肝が座っていたレンシアに、ローラまでフォローし始めていて イオンは身体が爆発しそうになりながら、謎の汗がだらだらと溢れてくる。 「分かってますよ…俺みたいな中古じゃご満足頂けないですよね…」 「も…もうやめさせてぇ!」 「くそ!病みすぎている!寝せないとだめだ!」 「同意!!」 二人はどうにかしてレンシアをベッドに横たえ、クマのぬいぐるみと一緒にしっかりと布団を被せた。 「このおしゃれなアロマキャンドルを置いてオルゴールを鳴らしておきましょうね!」 「よし俺がえほんを読み聞かせしてやろう」 「うう……?」 どうやらレンシアは心を病みすぎてあらゆる方面に捨て身になっているらしい。 しっかりと休養を取らせねばと二人がかりで寝かし付けに入るのだった。

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