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苦学生な先輩 4

「や…やっぱりこうして話していて確信しました…! レンシア様こそが“大天使の生まれ変わり”。自分たちの光です…! あなたの慈悲深さや美しさ…魂の透明度…穏やかなオーラ…よすぎる顔…MP3データで欲しい声…全て解釈一致なんですから!」 どうやら完全に信じ切ってしまっているらしい様子に、人が信じているものを無闇に否定するのもよくないかとレンシアは諦める事にした。 なんだか騙しているようで罪悪感が凄まじいが、その様子では何を言っても無駄なようだし。 「……そんな風に慕ってくださるなんて…」 「慕うどころじゃないですよ!心の支えです!!生きる糧です!」 「ええ……」 信じられ過ぎていて少し恐ろしかったが、本当はパーティでケーキを投げつけられるような人間なのだと思うと 少なからず支持してくれる存在がいるというのはありがたい事である、とレンシアは思う事にした。 「…俺…だめですね、落ち込んでばかりでは…」 自分の無力さや醜悪さを呪ってばかりいた。 彼やイオンのように問題解決の為に動くことを、やってもいないのに諦めていたのだ。 今思うと、イオンはすぐに何か手はないかと考えていた。 彼は、生きるための理由なんてなんでも良い、と言ってくれていたのに。 「ありがとうございます、ヴェネッタさん 俺でもできる事はないか…考えてみたいと思います」 レンシアは微笑みながら彼にお礼を言った。 えぇ…?とヴェネッタはだらだらと涙を溢しながら両手で口元を覆った。 「ファ、ファンサえっぐ……」 「はい…?」 「レンシア様はもう生きてるだけで良いんです!美味しいもの食べて暖かいお布団で寝てください!!」 ありがとうございます!と何故かお礼を言いながら彼は再び地面に額を擦り付けている。 毛刈り途中の金羊が早くして欲しそうに白い目で彼を見下ろしているのだった。

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