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夏休みの実績解除をしたい 1
夏休みも折り返しをちょっと過ぎて、イオンはようやく社交界でのプレゼン回りも落ち着き
事務的な作業に時間を充てる事にした。
お陰様で寄付金は順調に集まってきているし、興味があるという旨の問い合わせも沢山届いているので
そういったものの対応をしたり、学園とも色々相談をしたりしている。
レンシアはレンシアで、最近はよく温室や飼育小屋に出かけて作業を手伝ったりしているらしい。
前の彼はいつも気を張っていて、
格好も仕草も立ち居振る舞いも完璧だったが、今はどこか油断し切っている格好でうろついていたり
時々ぼけっとしていたりもするので、
いい感じに力が抜けてきているのであればいいなぁと見守っているイオンだった。
今日もそれぞれ机に向かって作業をしていたが、突然窓が勢いよく開きびくりと肩を震わせる。
「あーどっこいしょ」
そう言いながら侵入してきたのは、ローラだった。
相変わらず分厚い眼鏡をかけ、髪は寝癖のようにボサボサで悪役みたいなローブに身を包んでいる。
「ローラさん、戻られていたのですね、おかえりなさい」
「たでえまー。これ2人に土産」
「え、良いのですか…?ありがとうございます」
ローラはレンシアに何か箱のようなものを渡している。
彼は一週間程前から怪しい予言団体の合宿に行っていたようだった。
「何貰ったのー?」
「温泉まんじゅう…でしょうか?美味しそう」
「あるんだ…この世界に温泉とまんじゅう…」
「いやーもう大変だった…疲れすぎて昨日は一日寝てた」
「お疲れ様ー…」
まだ疲れが取れていなさそうな彼にイオンは苦笑する。
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