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夏休みの実績解除をしたい 2

「結局何やったの?」 「まぁー…色々だな…。 朝から晩まで過去の大預言の見解について討論している日もあれば… 朝から晩まで預言をし続けている日もあれば…」 「た、大変そうだね…本当に…」 「まあ大半はつまらんかったが フィールドワークで行った宗教普及会はなかなか愉快だったぞ? これもレンしぃにくれてやろうと思ってな」 ローラはそう言いながらもローブの中から薄い冊子のようなものを取り出し彼に渡している。 「うわ…これ“予言の光”じゃないですか…“第6906号”…」 「なんだ知っていたのか…絶対泡吹いて倒れると思ったのに」 「最近たまたま知ったのです…」 レンシアは冊子を捲りながらも苦笑している。 「なにそれ?」 「お前も入れ“B.E.R”。ピッタリの宗教だと思うぞ?」 「な、何を言ってるのですか!」 「えー…宗教なんだ…?」 怪しい予言団体はやっぱり怪しい宗教団体と繋がっているらしい。 だがレンシアも知っていそうな所を見ると少し気になってしまう。 「じゃあ…ちょっと俺もその冊子読んでみよっかな?」 「だ、だめ、絶対ダメ…!」 「…だ、だめなの?なんで?」 レンシアは何故か顔を赤らめながらも冊子を守るように両手で抱きしめている。 「ひひひ。くれてやれくれてやれ。 特にその最後のページの付録ピンナップなんかきっと家宝になるぞ?」 「え?わ、わー!?何これ!?いつのやつ!?」 二人が仲良さげに騒いでいるのは実に微笑ましい事だったが、なんとなく同じ冊子を一緒に眺めてあーだこーだ言ってる姿にはモヤァとしてしまう。 だけどこんな事には慣れていると自分に言い聞かせて、イオンは肩を竦めながらも自分の作業に戻ろうとした。 すると、ドアがノックされる。 そちらに顔を向けると勝手にドアが開いて誰かが入ってくる。

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