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夏休みの実績解除をしたい 3

「ただいまー!」 爽やかな笑顔を浮かべて部屋に侵入してきたのはイヴィトだった。 「もう帰ってきたの?」 「うん。一週間もおったら結構満足でした…」 イヴィトはそう言いながらも、はいこれお土産、と紙袋をイオンに渡してくる。 「って、あれレンシアさん…!?」 「ど…どうも……」 「同じ部屋になったんだよ」 「え!?そうなん!? 大丈夫…?変なことされてへん……?」 「おい」 ローラと似たような反応をされて、イオンは一体自分はなんだと思われているのかと苦笑してしまう。 「ローラはこれ、頼まれてたやつ」 「ありがとー」 イヴィトはローラにも別の紙袋を渡している。 そういえば夏休み明けの友達にお土産なんてちゃんともらったのは初めてかもしれない。 自分だけ貰えなくて悲しかった井小田少年時代の記憶がふわっと甦って、イオンは紙袋の中を覗いた。どうやらお菓子のようだ。 「お茶…淹れますね、折角だから皆さんで食べましょう」 レンシアはそう言って立ち上がると、洗面台の方へ行ってしまった。 「…レンシアさん、元気そうやなぁ。良かった」 「リウムがエルたんの部屋に行ったらしい」 「……そうなんやね…」 イヴィトはローラと小声で話していて、彼はどこか心配そうに洗面台の方を見つめている。 「そうだ。お前の事業はどうなった?」 「事業?」 「こいつ愛しい人のために金集めし始めてな」 「変な言い方しないでよ…立派な社会貢献だゾ?」 夏休み一日目から帰省していたイヴィトは不思議そうに首を傾けている。 「結構いい感じになってると思うよー。 実際生徒を受け入れ始めてどう回ってくかっていうのはやってみなきゃだけど… まあシステムが確立するまではトライ&エラーというか… 学校始まって両立できるか不安だけど…ブラック企業を思えば全然……」 「ええ…なんかイオンが頭よく見える…」 「お前本当にイオンか?」 「失礼だなぁ!俺だってこれくらいできるよ!」 何故か引いているような二人には、 彼らはめちゃくちゃいい人だけどやっぱりどこに行ってもベースはうっすらバカにされるんだなと思ってしまうイオンだった。

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