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眠れない夜に君だったら 2
「俺…お邪魔ではないでしょうか…」
「そんなわけないじゃん。二人も本心で誘ってると思うよ?」
「ですが…本当はジョルシヒンさんやエルメーザ様と……」
「あー…まあローラ達は遠慮なく全員誘いそうだけどね…
でもまだ二人とも帰ってないみたいだし…」
エルメーザ達の事情はあんまり耳に入れないようにしていたが、イオンは一応把握しているらしい。
折角の友達関係なのに、自分の存在がややこしくしていると思うとレンシアは申し訳なさでいっぱいだった。
「レンシアさんが気にすることないと思うよ?
でも…もし嫌とかだったら全然断って良いし…」
「嫌…では無いですけど…」
「本当?」
「……はい…」
「ならよかった。
レンシアさんとお出かけできるのめっちゃ楽しみだからさ」
彼の言葉にはつい顔が熱くなってドキドキとしてしまう。
楽しみ、だなんて。
身の程知らずにも喜んでしまっている自分がいて、レンシアは調子に乗らないようにと心の中で自分を叱り付ける。
でも、はしたないと抑えていたものはもうそうしていなくたっていいと思うと
気持ちを素直に伝えてくれる彼みたいになれたらと思ってしまう。
それにそうやって気持ちを伝えてくれる彼は、全然、はしたなくも見苦しくもないから。
「…お…俺も……」
レンシアは布団に潜り込みながらも、ドキドキと心臓が高鳴る中どうにか言葉を絞り出そうとした。
「俺も…た、楽しみ……です……メッチャ……」
その言葉を解き放つのに、あり得ないくらいの汗が出てきてしまった。
顔も身体も熱くて恥ずかしくて、消えてしまいたくなるけど。
イオンは目を見開いていたけど、やがて笑顔を浮かべてくれた。
暗闇の中でもそれがわかって、ああ言ってよかったんだ、とどこかホッとしてしまう。
「うん、楽しみですね!」
「……はい…」
楽しみ、とか。嬉しい、とか。
今まであんまり感じた事はなかった。
感じないようにしていたのかもしれない。
だけど凄く良いものだなと思えてしまう。
なんだか、幸せ、みたいで。
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