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水族館に行こう! 1
遠足前日ぐらいにはあんまりちゃんと寝付けなかったイオンだったが、一応時間通りには起きることができた。
パーティに着ていたスーツは一応洗って丁寧にしまってあるが、流石にそれを着ていくわけにはいかず
クローゼットを漁り散らかして、どうにか制服以外の私服を発掘したイオンだった。
荷造りは実家の使用人達がしてくれていたのであんまり把握していなかったが、
Theユニクロみたいな普通のシャツとパンツにジャケットだ。
夏とはいえ現代日本とは少し気候がズレているらしく、
まだ春先くらいの感じのため羽織はあった方がいいだろうと考える。
「あの…こんな感じでいいのでしょうか……」
自分毎に夢中になっていたイオンは、後ろから声をかけられて慌てて振り返った。
レンシアは、シャツの上に襟元や袖にラインの入った長袖の白いニットを合わせ、黒いパンツというちょっとゆるっとしたコーデだった。
髪の毛をハーフアップにしていて、黒縁の眼鏡をかけている。
「ど、い、いいと思います…!
すごくかわ、可愛いっす!アクスタにしたいくらい!眼鏡もめっちゃ、似合ってます…!」
彼は不安げに、本当ですか…?と聞いてくる。
ニットは若干萌え袖気味だし、パーティの爆イケスタイルとはまた違って普通に好きすぎて死にそうだった。
「お、おしゃれっすよね…レンシアさん…」
「一応…カラーコーディネートの本と服装の組み合わせの本は一通り読みました…」
「おしゃれ方程式みたいなこと…?」
彼の勉強熱心さには頭が上がらないが、自分も少しくらいは気を遣った方がいいだろうかと焦ってしまうイオンだった。
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