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水族館に行こう! 4

「あれ…レンシアさんは…?」 人魚に気を取られてレンシアを見失ってしまい、イオンは辺りを見回した。 大水槽はやはり人気スポットなのか人が集まっていて、イオンは少し水槽から離れてレンシアの姿を探す。 大水槽の次のエリアは半野外になっているようで、 現代日本でいうところのペンギンとかシロクマがいるようなスペースのようだった。 だけど魔法の世界の水族館にいるのは、見たことのない幻獣生物達だった。 一つの柵の前にレンシアが立っているのを見つける。 柵を挟んで彼と対面している生物は、狐のような顔をしている生き物で銀色の毛並みがキラキラと光っていた。 「レンシアさん」 イオンが声をかけると彼はこちらを見て、微笑んだ。 「ええっと…この生き物は…?」 「ギリビーロです。可愛いですよね」 顔は狐のような生き物だが、よく見ると下半身は人魚のように魚っぽい。どちらかというと蛇なのかもしれない。 一応足はあるようだったが凄く短くて泳ぎに特化しているらしい。 毛並みも狐のようでもあり、鱗っぽさもあるなんとも不思議な生物だった。 柵から顔を覗かせているギリビーロは、犬とも猫ともつかない声で鳴いている。 「ふふ」 レンシアはギリビーロが何を言っているのかわかるのか面白そうに笑っている。 動植物と接している時、彼の纏う空気は凄く穏やかで暖かくて優しくて 表情もとても和らいでいて自然に見える。 イオンはその美しい横顔を見ていると胸が苦しくなるけど、ずっと見ていたいような魅力があった。 「大嵐で仲間と逸れて、怪我をしている所を保護されたんですって。 いつだって逃げ出せるけど人間が好きだからここに居てやってるんだ、って言ってます」 くすくす笑いながらレンシアは生物の言葉を伝えてくれた。 ギリビーロは柵の向こう側から大きな頭を差し出してきて、レンシアは軽く撫でてあげている。

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