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謎の石 2
四人は、公園のようになっている野外スペースの中で休憩所的な場所を見つけた。
ワゴンで飲み物やお菓子を売っていたりして、近くにはテーブルやベンチが置かれている。
とりあえず丸い四人掛けのテーブルをキープして、そこで休憩することにした。
「ドラゴンもレンシアさんも消えたって…不思議だよね」
「簡単なことだ。次元の壁を越えたんだ。お前だってやっただろ」
ローラは腕を組んでイオンを睨んでいる。
「でも肉体は次元を越えられないって言ってたじゃん…」
「お。よく覚えているな。そうだなぁ…ドラゴンはともかく
レンしぃは意識だけが次元を越えていったんだろうな。
で、身体は移動してはいないが恐らく“見えなくなった”んだろう。」
「……どういう…こと…?」
ペラペラと喋り出すローラに、イヴィトはぽかんとしている。
ローラは、ふむ、と頷くとどこからともなくノートを取り出してテーブルの真ん中に広げる。
「いいか?これが俺達のいる三次元。
だが本当は次元はこういう風に折り重なって同じ場所に存在している。
肉体は三次元で固定されているから二次元以下にもいけないし四次元以上にもいけない。
だが意識は他の次元に飛ばすことが出来る。
こうやって俺が紙に考えを書けば、二次元に意識が下りた事になるし
頭の中で別の世界…つまり好き勝手に空想を思い浮かべていれば四次元以上に行っている事にもなる。」
「四次元…って?」
「過去や未来を想像すれば時間の壁を越えられるし、別の世界を想像すれば平行世界や異世界に行っていることになるだろ」
説明の難しさの割にローラはやたらと可愛らしい動物のようなもののイラストを描き始めた。
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