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謎の石 3
「人が別の世界や未来や過去等、この次元ではないことを考えている時、肉体への意識と別の世界へ飛ばしている意識が同時に起こっているが
レンしぃは完全に意識がこっちへ行っていた。
そうなると、肉体への意識が疎かになりチャンネルが合わなくなる。
そこにいるけど三次元の意識がある人間には認識できなくなる、んだ。
つまり、消えたように見えるということだ」
「わかるようなわからないような…」
「なんで認識できなくなるん?」
「うむ。例えば…動物の言葉は“わからない”だろ。だが奴らは何かを話していて、互いにコミュニケーションをとっている。
それと同じだ。あるけど“ない”。分からない、が近いかもな。
肉体を構築するものも小さな粒、そしてそれが放っているエネルギーで人々は物を認識している。
大体の人間の肉体から放たれているエネルギーを仮にBとしたら、
レンしぃの肉体は一時的にCとBになり、認識が曖昧になってしまうというわけだな」
「…一時的に透明になったような感じで
突然消えて突然現れたように見えたってことかな…?」
「まぁ…半分正解だな。
レンしぃはその間ドラゴンが目の前にいたと言っていたな?」
「…ええ、檻の中にいるような感じになって…
目の前にドラゴンが居たんです。」
「ふむ。これはドラゴンと同じ時空にアクセスしていたのだろうな…
例えばドラゴンの意識空間がCだった場合、レンしぃもCのエネルギーになっていたから繋がった、とかな」
「ドラゴンと何を話したの?」
「うーん…よくわからなくて…俺のことを知っているみたいでした…
でも…なんでも知っているみたいなことを言っていたから…
……やっぱりよく分からない…かな…」
思い出しても意味がわからなくてレンシアは苦笑した。
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