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謎の石 5

卵。数億。 それが確信に近付いたような気になってしまい、レンシアはいよいよと冷静ではいられなくなって震えてしまう。 「どどどどうしましょう…きょ、許可とかいるのでは…!?」 「お、落ち着こう、とりあえずお茶飲もう?ね?」 「ドラゴンの飼育は特定の認可が必要だな… 学園内への持ち込みに関してもモルフェガレ家しか認められていなかったはずだが…」 「えええ!?じゃあ、か、返してきた方が…!?」 「でもドラゴンいなくなってたやんか?」 「預けたいってレンシアさんが言われたんだからレンシアさんが責任を取るべきでは?」 「責任…!?」 「生き物は責任持って最期までだぞレンしぃ」 「最期まで!?」 「まあ…頑張りや。レンシー」 「えぇえ!?」 急にハシゴを外されてレンシアは慌てふためいてしまう。 ドラゴンなんてどうやって育てたらいいかもわからないし、そもそも自分の事だけでも精一杯なのに。 「ど…どうしよう……!??!」 「レンシー…意外とオーバーリアクションなんよなぁ…」 「あーおもしれぇー…」 「可愛すぎて禿げる…」 ハンカチに包んだ卵を両手に半泣きのレンシアに、何故か三人は色んな方向を見て肩を震わせていて目を合わせてくれようとしない。

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