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先輩を助けよう! 1

長かった休みはあっという間に終わり、学園は再び動き出した。 帰省や旅行などで学園を離れた生徒達が戻ってくれば、あんなに静かだった食堂や廊下や教室は賑やかさを取り戻している。 休み中の出来事を嬉々として友達に報告し合っている生徒達を横目に、 レンシアは様々な手続きで学園内を駆け回っていた。 なんだか最近こんな事ばかりと思いながらも、あの先生にこれを持って行けとか事務局にこれを提出しろといった指示には従う他ない。 夏休みの最終日に、レンシアの元にいくつかの手紙が送られてきた。 まず一つは、ヴァガ伯爵から、短く簡潔に冷たすぎるほどの無機質な文字で“離縁する”という内容のものだ。 正しくはヴァガ伯爵の伴侶から、だが。 彼は今刑務所の中にいるようだった為、それどころでは無かったのだろう。 それから役場から離縁の手続きについての書類が大量に送り付けられ、 孤児院からは戻ってくるなという旨の手紙がやってきて 学園からは支払いについての書類などが。 兎にも角にもその全てに目を通して理解するのにほとんど一日を要してしまった。 半泣きになっていたレンシアを、最終的にはイオンが助けてくれて 手際よく書類を分けると、レンシアさんはこれとこれを書いてどこどこに出せばいいから、と教えてくれた。 そして支払いについても話はつけてあると説明してくれて、彼には頭が上がらない思いだった。 それでも書類を書いたり提出したり説明を受けたりは自分でせねばならないので、レンシアは学園が再開すると同時に走り回っているのだった。

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