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先輩を助けよう! 2
昼休みにはようやく落ち着いて、食堂へ行くとイオンの姿があったのでレンシアは彼のテーブルへと食事と共に向かった。
彼はこちらに気付くと笑顔で片手を挙げてくれる。
「お疲れ、レンシアさん。色々大丈夫そう?」
「ええ…なんとかなりそうです。イオンさんのおかげです」
彼の向かいに座ると、イオンはイオンで何かの書類を片手に昼食をとっているようだった。
「…それ、会社の…ですか?」
「うーん…まぁ。レンシアさんがうまく行きそうだったら在学中の生徒で何人か受け入れられないかなって…
それがうまくいったら、来年入学してくる生徒も視野に入れて…」
レンシアは自分毎で精一杯だったのに彼はもう他の生徒のことを考えているらしい。
「…でも難しいよね、経済的困窮ってどこまでを範囲に入れるのかっていう…
一応審査基準を設けようとはしているけど…今の所在学中の生徒で滞納とかは無いみたいだし
もうちょっと実例というか、そういう生徒が欲しいんだけどね…
所得とかこの世界には無いっぽいし…」
勉強はできるもののビジネスの事などさっぱり分からないレンシアは、イオンがめちゃくちゃな大人に見えてしまって
つい目を細めながら昼食のスープを口に運んだ。
「一般から来てる人も今の所養子に入ってる人が大半だからね…
そういう所は逆にあんまりお金には困ってないというか」
縁もゆかりもない人間を養子に迎える経済力がある貴族は確かに困窮とは無縁だろう。
レンシアのように離縁されるなんて滅多にない事である。
つくづく自分のイレギュラーさにため息が溢れそうだったが、経済的困窮、という言葉が引っかかった。
「でも貴族はなかなか自分で困窮してるとか言えない人の方が多いかもね…プライドがあるというか…うーん…」
「困窮…お金に、困ってる人って事ですよね…」
「まあ、そうだね」
「……俺…心当たりがあるかもしれません…」
「え?そうなの?」
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